頭を鍛える

頭を鍛える

金持ち父さんは、「欲しいものは何でも買いなさい」と言っているわけではない。世界で最も優秀なコンピュータ、つまり自分の頭を使えと言いたかったのだ。金持ち父さんはこう言っていた。「私の脳は毎日強くなっていく。鍛えているからね。頭が強くなればなるほど、それだけ多くのお金を儲けることができるんだよ」彼は、「それを買うお金はない」と反射的に言うのは、頭が怠け者になっている証拠だと思っていた。

どちらの父もよく働いたが、お金のことになると貧乏父さんは脳を休ませる癖があった。いっぽう金持ち父さんは、脳を鍛えることを習慣にしていた。長い目で見ると、その結果、一人の父は経済的に強くなり、もう一人は弱くなった。

頭の中の考えがその人の人生を作る

存在感の強い二人の父親のもとで育った私は、異なる考え方が人間の人生に異なった影響を与えるのを目の当たりにすることができた。その結果、「頭の中の考えがその人の人生を作る」という言葉が本当であることを知った。

思考がどんな大きな力を持っているか、それは測ることは出来ないし、普段はその力のありがたみなどわからない。だが、私は子供ながら、自分が何を考え、それをどう表現するかがどんなに大切か気がついた。そして貧乏父さんが貧乏なのは、稼ぐお金の量が少ないからではなく(実際のところかなり収入はあった)考え方や行動の仕方が原因なのだと思い当たった。二人の父を持ったおかげで、少年の私は自分がどちらの考えに従うか、慎重に考えなければならない事を身をもって知らされた…ぼくはどちらの言うことを聞いたらいいのだろう?「金持ち父さん」の言うことか?「貧乏父さん」の言うことか?

人生の選択

九歳のとき私は、お金については金持ち父さんの言うことを聞き、彼から学ぼうと決心した。そして、どんなにたくさんの大学の学位を持っていようが、貧乏父さん、つまり私の実の父の言うことは聞かないことを選んだのだった。ここまで読んでおわかりだろうが、こちらの父の方がたくさんの大学の卒業資格を持っていた私の実の父だ。