石破政権の支持率は上昇
参院選挙から1カ月が経ち、世論調査の結果が次々に発表されている。
選挙直後に毎日新聞と読売新聞が「石破首相、退陣へ」という号外を出したことで話題を呼んだが、皮肉なことに石破政権の支持率はどの世論調査でも上昇していることがわかる。
例えば共同通信の世論調査だと、石破内閣の支持率は35.4%と依然として低いものの、前回から12.5ポイントも上昇しているのだ。
またこの調査では選挙の争点となった減税についても聞いているが、消費税減税を石破政権が「受け入れるべきだ」と答えた人は61.5%にのぼり、減税への要望がやはり高いことが数字に表れている。
消費税減税はこれから取り組んでいくのだろうが(そう願いたい)、その前哨戦として7月からの施行を目指してれいわを除く野党が国会会期ギリギリの6月下旬に出したガソリン暫定税率の廃止はどうなったか。
参院選後の臨時国会で法案を提出したものの採決には至らず、与野党で代わりとなる財源などについて協議するという同意書を交わしているようで、雲行きがかなり怪しくなっている。
ガソリン減税には代わりの財源が必要?
実は最近、与野党協議の上で道路などのインフラ整備のための増税が必要だと政府(財務省?)が言い出した。車の走行距離に応じて課税することを考えているようだ。
と同時に、「国道4千カ所に空洞、119カ所は陥没の恐れ」という速報ニュースがネットで流れ始めた。
つまりは、減税などするとインフラがボロボロになるがそれでいいのか?という国民への脅しだと受取っていいと思う。
もちろん、道路だけでなく橋や下水道などインフラの改修が必要なのは以前から言われていたし、社会が正常に営まれるためには適宜メンテナンスが必要なのは当然のことだ。
そういったインフラを支えるための公共事業を大幅に削ってきたのは自民党政権だったわけだが、それを逆手にとって減税阻止に利用するとはあきれ果てたやり方だ。
もしガソリン減税と引き替えに走行距離税などの新税が作られるのであれば、結局は減税にはならない。
税の名称が変わっただけか、下手をすると増税になり、物流コストが爆上がりして更なる物価高の要因になる可能性さえある。
増税よりも財政支出で立て直しを
そもそも税金の国民負担率(所得に占める税金や社会保険料などの負担割合)が日本は50%超えと非常に高い。
これは北欧などに近い負担率とも言われているが、一方で教育費などの自己負担額も大きいままだ。
ここ数年の物価高で一般庶民の生活はさらに苦しくなり、そこに物価高で増大した消費税が上乗せされてしまう。
生活が苦しいからお金が消費に回らず、景気が改善しないのが現状だが、ここをなんとかしないと日本経済はさらに沈んでいくだろう。
元を質せば、国民から税金を取れるだけ取ろうという発想が今の状況を作り出しているのではないか。
本来、必要なところには政府が積極的に財政支出をして健全な経済を構築していくべきではないのか。
このまま日本経済が沈んでいかないよう、現実を見つめて再考し改善していくことを政治に求めていきたい。