レバレッジとは何か
ロバート・キヨサキの『金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法』は、レバレッジの大切さについて書かれた本だ。
レバレッジとは、大きなものを小さな力で動かすための「テコ」のことを指し、金融関係では投資をする際の借入金を指すことが多い。
だが、借入金以外にもいろいろなレバレッジがあり、それらを使いこなすことで、さまざまな面で大きな効果を生み出すことができるとキヨサキは言う。
目次を見ると、第一部は「頭脳のレバレッジ」、第二部は「プランのレバレッジ」、第三部は「行動のレバレッジ」となっている。
これを見てもキヨサキが言うレバレッジが広範囲にわたることがわかる。
具体的にはどういうものがレバレッジだと言っているのだろうか。
レバレッジはどこにでもある
キヨサキが挙げている例を、いくつか拾ってみよう。
人間は自分の足ではチータよりも速く走ることはできないが、自動車や列車という道具を使うことで、チータに負けない速度で移動することができるようになった。
このように、人間はさまざまな道具を使うことによってレバレッジを効かせているのだ。
最近ではコンピューターが、大きなレバレッジを生み出すものとして、私たちにとってなくてはならない存在となっている。
もちろん道具だけではない。
教育もレバレッジのひとつだが、その教育にもいくつか種類があるとキヨサキは言う。
学校で専門知識を身につけることによって、より高い収入が得られる場合がある。
一方、学校を出てたくさん稼ぐことができても、きちんとしたファイナンシャル教育を受けていないせいで、多額の消費者ローンを抱えて苦しんだりすることもある。
さらに、人間関係もレバレッジとして大きな価値を持つ。
まわりにいる人からのアドバイスがよくも悪くもあなたに大きな影響を与えたりするからだ。
あるいは、労働組合といった組織は、強い金銭的レバレッジを持った人たちから身を守るためのレバレッジとなりうる人間関係だ。
自分の頭脳がもっとも強力なレバレッジだ
そして金持ちは、OPMやOPTをレバレッジとして利用しているとキヨサキは言う。
OPMとは他人のお金、つまり他の人が銀行に預けたお金を借りること、OPTとは他人の時間、つまり他の人が雇われて働く時間だ。
だからもしあなたが金持ちになろうとしているなら、OPMやOPTを利用する力を身につけることを目指そう。
では、さまざまあるレバレッジのうち、一番強力なレバレッジは何だろうか。
それは、私たちの頭の中にある、とキヨサキは言う。
なぜなら、人間の頭には、何であれ自分が現実だと思っているものだけを見て、それ以外の現実は視野に入れないようにする能力があるからだ。
「投資は危険だ」と思っている人が新聞を広げると、投資で損をした人の話ばかりが目に入ってくる。
投資に限らず何事でも、「私にはできない」と思っていたら、きっとそのとおりになってしまう。
何かをやりとげようとするなら、自分の頭を使ってレバレッジを働かせ、コンテクストを大きくして、現実を広げることが必要なのだ。