ラットレースとは何か
キャッシュフローゲームをしたことのある人なら、ラットレースという言葉はすでにおなじみだろう。
ゲームボードの真ん中にある円形の道がラットレースで、プレーヤーはみんなここから出発する。
このラットレースというのは、いったい何を意味しているのだろうか。
「金持ち父さん 貧乏父さん」のなかでロバート・キヨサキは、ラットレースという言葉は、まじめに働く人が一生のあいだ請求書の支払いに追われている様子をさすと説明している。
まじめに勉強していい大学に行き、いい会社に入って安定した職を得て一生懸命働き、出世していい給料をもらっても、大多数の人はこのラットレースの状態から抜けられずにいるのだ。
なぜなら、一生懸命働いて収入が増えると、車や家など欲しかったものを買ってしまい、生活の規模が広がって自然と支出もふえていくことになるからだ。
これでは、いくらがんばって働いても状況は変わらず、生活は楽にはならない。
そこから抜け出すためにはどうしたらいいのか。
それこそが、ロバート・キヨサキがラットレースという言葉を使って、私たちに伝えようとしていることだ。
キヨサキが心配していること
「金持ち父さんシリーズ」について、よくある批判は次のようなものだ。
「著者のロバート・キヨサキは、ラットレースという言葉で汗水たらしてまじめに働く労働者をバカにしている。」
「みんながまじめに働くのをやめて、著者の言うように投資家になったら、いったいだれが働くんだ。」
だがこれはまちがった理解であり、キヨサキはまじめに働くことを軽視しているわけではまったくない。
「金持ち父さん 貧乏父さん」を読んでもわかるように、いくら一生懸命働いても経済的な状況が変わらない人が多いのを、彼は心配しているのだ。
ことに、今の時代は、サラリーマンの給料がどんどん上がっていったりはしないのだから、なおさらだ。
それに、これまでは会社や国が老後の面倒をみてくれたが、それもだんだん当てにできなくなっている。
だから、まじめに働くことが大事なのと同じくらい、賢く働くことや、お金に働かせることも大事だと言っているのだ。
キヨサキの言うことに耳を傾け、お金との付き合い方を真剣に考えてみてもいいのではないだろうか。
では、ラットレースを抜けるためには何をすればいいのだろう。
ラットレースを抜けるには
これは、キャッシュフロー・ゲームをやっている人ならよくわかっているはずだ。
まじめに働いて手にした収入から、まず自分に支払う。
つまり、全部使ってしまわずに、投資にまわすためのお金を取っておく。
そして、そのお金をもとにして、新たな収入を生み出すような本当の資産を買う。
あるいはそのお金をもとに、今の職を続けながら起業をし、さらなる収入を手にする。
もちろん、自分に合う道をみつけるために、いろいろ学び、試してみる必要がある。
失敗しても立ち直れる額の投資から始めて、もし失敗しても失敗から学び、またチャレンジしてみる。
投資から得る収入がコンスタントに自分の生活費を上回るようになれば、おめでとう、あなたはラットレースを抜けられたのだ。
経済的自由を手にしたのだから、今の職を続けるのも、やめてリタイアするのも、あなたの望むままだ。
さあ、次は金持ちのための高速車線、ファーストトラックが待っている。