一貫性の持つ力

  1. 一貫性(integrity)という言葉
  2. 言葉の力を尊重する
  3. 「今日」は勝者のための言葉

一貫性(integrity)という言葉

金持ち父さんはこう言った。

「小さな決め事をちゃんと守れば、大きな決め事もちゃんと守るようになる。たとえ小さなことでも一度決めたことを守れない人は、もっと大きな夢を実現させることは決してできない」

(「金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法」(筑摩書房))

金持ち父さんと貧乏父さんが、ロバート・キヨサキに重要性を強調した言葉は必ずしも同じではなかったが、「一貫性(integrity)」という言葉に関しては二人とも同じように重要性を強調した。

この言葉の持つ、「人が言葉と行いを一致させること」という定義について、二人は同じ考えを持っていたのだ。

二人はこう言っていた。

「人の言葉に耳を傾けるのは大事だ。だが、もっと大事なのは、その人の行いを見ることだ。」

ロバート・キヨサキは著書の中で、この二人の父の賢明な教えを次のように述べている。

言葉の力を尊重する

ロバート・キヨサキが経済的に豊かな人生を送るために立てたプランの中で、簡単だが大きな効果があった方法の一つは、言葉に忠実であること、言葉と行いを一致させることで言葉の力を尊重し、一貫性を保つよう心掛けることだった。

これは「必ず、言葉と行いが一つになるようにしろ」という二人の父親の教えによるものだ。

ロバート・キヨサキのプランの中で特に重要な意味を持っていたのは、新たに学んだり、その存在を知った最新の言葉を、実際に人生で活用するように十分気を配ることだった。

ただ頭がよさそうに見せたいから、あるいは人に感心されたいからといって、そういったお金に関する言葉を並べ立てるだけの人間は、金持ち父さんの言う「一貫性に欠けた人間」になってしまう。

金持ち父さんはロバート・キヨサキに何度もこのことを教えている。

「言葉を現実に変え人生の一部にするために全力を尽くせば、きみの人生は頭で言葉の定義を理解しただけの人の人生とは全く違ったものになるだろう」

若くして豊かに引退したいと思っている人は、お金に関する語彙を常に最新のものにするためにしっかり時間を掛け、それを口で言うだけでなく、言葉を行いにして一貫性を持つことだ。

さらに金持ち父さんは言葉の持つ力の重要性について、次のように述べている。

「今日」は勝者のための言葉

金持ち父さんはよくこう言っていた。

「人生に一番害のある言葉は『明日』だ。この言葉を一番を多く使うのは、貧乏な人、成功しない人、不幸な人、不健康な人だ。彼らはよく『明日から投資を始める』とか『明日からダイエットとエクササイズを始める』『明日から本を読む』などと言う」

金持ち父さんは、明日という言葉ほど、多くの人の人生をダメにする言葉はほかにないと言っていた。

「明日」は、夢ばかり見ている人、負けてばかりいる人の頭の中だけに存在し、何でも明日に先送りにする人は、過去に犯した罪や昔からの悪い習慣が、結局は自分に追いついてくることにいつか気がつく、と考えていたからだ。

金持ち父さんは明日についての話をいつも次のように締めくくっている。

「私は明日を一度も見たことが無い。私にあるのは今日だけだ。今日は勝者のための言葉で、明日は敗者のための言葉だ」