勝つためには失敗が必要
「勝利の戦略には、失敗が含まれていなければならない」
金持ち父さんがロバート・キヨサキに教えた、金持ちになる秘訣の一つだ。
出典は「金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法」(筑摩書房)。
一見、完全に矛盾しているように思えるこの言葉。一体どのようなことを意味しているのだろうか。
ロバート・キヨサキは同書で次のように友人の例を挙げている。
失敗する前提で投資する
ある友人がいて、その友人は、市場で取引をする際、必ず20回に19回は「失敗」する前提で投資をするのだという。
ただし20回に一回の勝ちで儲かる仕組みにしてあり、またそれだけの失敗をしても問題が起きない程度の資金を常に貯えてもいるそうだ。
つまり、市場をシビアかつ現実的に捉え、最初から失敗を想定しておくことで、リスクを回避しているのだ。
実際には19回連続で失敗することなどなかなかないから、延々儲け続けることができる。
これが、最初から失敗を想定に入れている「勝者の戦略」というものだ。
勝ちだけを望む敗者の戦略
しかし実際には、このような勝者の戦略を持てる人は少ない。
一度も失敗しないで勝ちたいという「希望」を持って、盲目的にそこに向かっていってしまうというのが人の常だからだ。
しかし常に勝つことを望むのは、ただの「願望」であって、あまりに現実的ではない考えだ。
こうした、失敗を考慮に入れていない戦略に基づいて行動していると、一度の失敗でプランが狂い、全てが終わってしまう。
現実を見ないで単に「願望」を持ち続けるのは、「敗者の戦略」なのである。
本当に勝ちたいのならば、怖がらずに、負けることも考慮にいれなければいけない。