単純なプランを守り通す

  1. ハリウッド版の投資
  2. 本当の投資は単調で退屈なもの
  3. 百人のうち三人しか金持ちでない理由

ハリウッド版の投資

金持ち父さんは、

「普通の人が投資だと思っていることの大部分は、本当はいわば『ハリウッド版』の投資だ」

とロバート・キヨサキに教えている。
(「金持ち父さんの投資ガイド入門編」(筑摩書房))

投資と聞いて一般の人がよく思い浮かべるのは、大声で売り買いの注文を出すフロア・トレーダーの姿や、たった一回の取引で何百万ドルもの大金を儲ける大金持ちの話、あるいは株価の大暴落で投資家が高層ビルから身を投げると言った、映画に出てきそうな話だ。

しかし真の投資家にとって、それらは投資ではない。

ウォーレン・バフェットも、

「私が市場に出かける唯一の理由は、何か馬鹿なことをしでかそうとしている人がいないか、見に行くためだ」

と述べている。

彼は投資に役立つアドバイスを得ようとして評論家の出るテレビを見たり、株価の上がり下がりをチェックしたりはしない。

バフェットの投資は、株の売買をたきつける人たちの立てる騒音や強引な誘い、あるいは「投資ニュース」で金儲けをする人たちから遠く離れたところで行われている。

金持ち父さんは、本物の投資とハリウッド版の投資との違いを次のように説明している。

本当の投資は単調で退屈なもの

金持ち父さんは本当の投資について、

「多くの人が、投資とはドラマチックで興奮に満ちたプロセスであり、リスクや運、タイミング、耳寄り情報などが大いに関っていると思っている。またいわゆる投資家と言われている人たちは、自分に市場を出し抜く能力のあるところを証明しようと思って投資をする。しかし、私にとってそんなのは投資ではない。私にとって投資はプランであり、多くの場合それは単調で退屈な、殆ど機械的と言っていいほどの金持ちになるためのプロセスだ」

と説明している。

本当の投資はレシピ通りにパンを焼くのと同じくらい単純で退屈なことだが、お金を持っていなかった金持ち父さんにとって、金持ちになるためのレシピを見つけてそれに従うのはごく当たり前のことだった。

では、金持ちになるための投資がただプランに従うだけなのにも関らず、なぜたいていの人はそれができないのか?

百人のうち三人しか金持ちでない理由

たいていの人が単純なプランに従うことができない理由を、金持ち父さんはこう説明している。

「人間はすぐに飽きてしまって、もっと面白いことを見つけたいと思う。たいていの人はプランに従って始めても、すぐに飽きてしまう。そしてプランに従うのをやめて、手っ取り早く金持ちになれる近道を探し始める。そういう人は退屈と興奮、そのあとにまた退屈・・・というプロセスを一生繰り返す。たいていの人は、金持ちになるための単純で簡単なプランに従う退屈さに我慢できず、投資によって金持ちになるのに、いくらか魔法めいたところがあると思っている。または、複雑でなければいいプランであるはずがないと考えている。だから金持ちになれないんだ。投資に関する限り、複雑であるより単純である方がいい。」

投資はプランだということは、このコーナーでも繰り返し出てくる重要な考え方の一つだ。

キャッシュフロー101でも、投資プランを念頭においてプレーしてみて欲しい。