注目すべき数字
ロバート・キヨサキは「金持ち父さんの起業する前に読む本」(筑摩書房)の中で、ビジネスの将来的な見込みを示した数字、あるいは既に会社が存在しているなら、見込みではなく実際の数字を見るとき、あるポイントに注目すると述べている。
これはロバートが経験から学んだことであり、見込みであれ、実績であれ、数字から危険信号を読み取る方法だ。
次の項では、そのポイントを紹介する。
危険信号:前編
1.給与
ロバート・キヨサキが最初に見るのは起業家が受け取る給与の数字だ。
これは起業家本人について多くを語ってくれる。
そのうちの一つは、起業家にとってそのビジネスと自分の生活のどちらが大事かだ。
残念なことに、ビジネスに充分な栄養を与え、大切に育てる代わりに、そこから略奪し、食べ物も与えず、痛めつけるばかりの起業家がたくさんいる。
2.いい支出と悪い支出
これは、金持ち父さんの教えの中でも最も大切な教えの一つだ。
金持ち父さんは、貧乏な人が多い理由は、お金を使うのが下手で自分を貧乏にする支出をしているからであり、金持ちが金持ちな理由は、自分を金持ちにするような支出をするからであると考えていた。
起業家に必須のスキルは、お金を使い、そこから多くのお金を生み出し、元金と共に取り戻す能力なのだ。
危険信号:後編
3.お金がものを言う
金持ち父さんはよくこう言っていた。
「従業員は忙しくしていることに対して給料をもらえるが、起業家は結果に対して報酬を受ける」
たいていの人は一生懸命働くがお金は生み出さない。
だが、起業家はお金を生み出さなければならない。
ビジネスを所有するということは、自分の活動が収入や支出を生み、それがそのまま最終的な損益に反映されることを意味する。
その結果が「帳尻」と呼ばれる最終的損益だ。
だからこそ、キャッシュフローのレベルがB-Iトライアングルの土台となっている。
危険信号が見えたとき、そのプロセスから何かを学び、先に進むか、同じ過ちを犯し、その信号を無視し続けるかは起業家次第なのだ。