クリス・マーテンソンの『クラッシュコース』
ロバート・キヨサキは最新刊『金持ち父さんのセカンドチャンス』(筑摩書房刊)のなかで、富には三種類あると書いている。
第一の富とは資源の富で、たとえば石油や金銀、魚、樹木、豊かな土地などをさす。
第二の富とは生産の富で、食料を生産する農家、魚を獲る漁師、石油や金を掘る人、製品を作る工場のオーナーなどが持っている富だ。
第三の富とは金融資産、高い給与、銀行預金、株式、債券などがこれに含まれる。
この富についての分類は、キヨサキが信頼する金融の専門家クリス・マーテンソンが、その著書『クラッシュコース』(未訳)のなかで提唱しているものだ。
石油を掘り当てた男
この三種類の富を説明するためのわかりやすい話として、キヨサキはこんなエピソードをあげている。
山に住むジェドという貧しい男が自分の土地で狩りをしていたとき、彼が撃った一発の弾丸がたまたま石油の鉱脈に当たり、石油が噴き出した(土地と石油鉱脈が第一の富)。
石油会社は大金を払ってその土地の石油採掘権を買い、ジェドは億万長者になった(石油採掘が第二の富)。
石油会社がジェドに支払った大金は、株式市場などを通して個人投資家から集めたものだった(投資資金が第三の富)。
キヨサキはどの富に投資しているのか
この三種類の富のうち、キヨサキは第一の富と第二の富にターゲットを絞っていて、第三の富である預金やペーパーアセットにはほとんど手を出したことがないと言う。
その理由は、金持ち父さんから第一の富と第二の富だけに投資せよと教えられたからだ。
そしてまた、政府は支払いのために紙幣を印刷し続け、それによって市場を支えているからだ。
いつかそれが行き詰って市場が暴落すれば、第三の富の価値が暴落し、金融で成り立っているニューヨークやロンドンなどの都市の経済も大きな打撃を受けることになるだろうと言われている。
さて、あなたが持ちたいと思うのはどの富だろうか。