貸借対照表はどこでバランスがとれているか

  1. 銀行は誰の資産かを言わない
  2. 持ち家はあなたの資産ではない
  3. バランスシートの真の意味

銀行は誰の資産かを言わない

「銀行は持ち家は資産だと言うが、これはほんとうだろうか?」

(「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」(筑摩書房)より)

初めて投資を経験したロバート・キヨサキに対して、金持ち父さんが投げかけた質問だ。

銀行員が「持ち家は資産だ」と言うとき、彼らは嘘をついているわけではないとロバート・キヨサキは説く。

しかし彼は、こうも書いている。

「ただ、銀行の人はそれが『だれの』資産かを言わない」

持ち家はあなたの資産ではない

財務諸表を見れば、持ち家があなたの資産ではないということが分かるという。

持ち家のうち、抵当部分は貸借対照表の負債の部分に属し、それはつまり銀行の貸借対照表の資産の欄におさまっていることを意味しているからだ。

キャッシュフローゲームや金持ち父さんの家計簿のゲームシートを見る際も、この点によくよく注意すべきだ。

バランスシートの真の意味

「バランスシート」と呼ばれる貸借対照表。

左右でバランスがとれているものと認識されているものだが、今挙げた例の場合は、そうではない。

実際にバランスがとれているのは、あなたの貸借対照表と町の向こう側にある銀行の貸借対照表との間でのことなのである。

また、貸借対照表を見る上で注意すべきことが一つある。

資産の欄に書き込む「家の価格」は市場の動きによって変動してしまうが、負債の欄に書き込む「住宅ローン」は市場の影響を受けることがないということだ。