金持ちと裕福の違い

  1. 他人の時間とお金
  2. 金持ちと裕福の違い
  3. 裕福度の測り方

他人の時間とお金

『他人の時間と他人のお金』、大金持ちになる鍵がこの二つにあるという話を聞いたことのある人は多いだろう。

他人の時間とお金はキャッシュフロー・クワドラントの右側、つまりB(ビジネスオーナー)とI(投資家)の側に存在する。

右側から見ると、クワドラントの左側で働いているE(従業員)とS(自営業者)が「他人」にあたり、彼らの時間やお金が右側で使われているのだ。

(「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」(筑摩書房))

ロバート・キヨサキと妻のキムが、SタイプではなくBタイプのビジネスを確立するために時間をかけた理由は、この「他人」の時間を使うことから得られる長期的な利益に気付いていたからだ。

Sタイプのビジネスのマイナス点の一つは、成功すればするほど仕事が増える、つまり労働時間が増えることだ。

一方、Bタイプのビジネスを確立した場合は、成功したらシステムを大きくしてもっと多くの人を雇えばいい。

つまり、システムとそこで働く人間を所有すれば労働時間は減り、収入と自由な時間が増える。

クワドラントの右側で成功するためには、左側とは異なる技術と考え方が必要だが、一つのクワドラント、一つのものの考え方にとらわれて、そこから出られない人は多い。

次の項では、ロバート・キヨサキの右側としての考え方の一つを紹介しよう。

金持ちと裕福の違い

ロバート・キヨサキと妻のキムは、1989年までに金持ちになっていたが、経済的に自由になれたのは1994年になってからだった。

1989年までに、ロバート・キヨサキは自分たちのビジネスから大きな収入を得るようになり、余計に働かなくてもビジネスシステムが成長を続けるようになっていたので、労働の量が減って収入が増えるという状態だった。

つまり、多くの人が「金銭的に成功している」と考えるレベルには達していたのだ。

次にロバート・キヨサキが目指したのは、ビジネスから流れ込むキャッシュフローを、さらに多くのキャッシュフローを生むほんとうの資産に変えることだった。

つまり、ビジネスを成功させた後、資産からのキャッシュフローが生活費より多くなる状態までに資産を増やすことだ。

そして、1994年には、複数の資産からの不労所得の合計が支出を超えるようになり、そこではじめてロバート・キヨサキとキムは「裕福」になったのだ。

きちんと収入を生み出し、物理的にたいした労働をしなくてもシステムとして機能していたビジネスを資産の一つとして考えてもよかったが、ロバート・キヨサキとキムは「裕福」と呼べる状態に関して自分なりの考え方を持っていた。

つまり、不動産や株などの有形資産から生み出される不労所得が支出を上回るようになってはじめて、自分たちは裕福だと言えるようになると考えていたのだ。

裕福度の測り方

裕福度は

「自分(あるいは世帯内のだれか)が物理的に労働しなくても生活に困ることなく、自分の望む生活水準を維持していける日数」

で測ることが出来る。

例えば、月々の支出が千ドルで貯金が三千ドルあるとすると、裕福度は3ヶ月あるいは90日間となる。

裕福度を測る基準はお金ではなく時間なのだ。

1994年までに、ロバート・キヨサキとキムの裕福度は、よほどの経済の変化が無いかぎり、無限の状態になっていた。

すでに投資からの収入が毎月の支出を越える状態に達していたからだ。

車の世界では、エンジンが焼き切れる恐れのある回転数を示すメーター上の赤い線を「レッドゾーン」という。

個人の家計を見てみると、お金のあるなしに関らず、レッドゾーンぎりぎりでお金を回転させ続けている人が大勢いる。

どんなに稼いでも、入ってくるのと同じ速度でそれを使ってしまうのだ。

レッドゾーンでエンジンを回転させ続けると、エンジンの寿命は短くなってしまう。

これは、お金に関しても同じことがいえる。

最終的に問題なのは、いくらお金を稼ぐかではなく、どれだけのお金を持っていられるか、そのお金をどれくらいの期間自分のために働かせることができるかなのだ。