まずは就職から
どのようにビジネスを起こせばいいのか分からない。
ビジネスを起こすためのお金がない。生活資金もない。
ビジネスを起こそうと決意したものの、こんな状態に苦しんでいたロバート・キヨサキ。
そんな彼に、金持ち父さんはこう言ったという。
「仕事を見つけろ」
「金持ち父さんの投資ガイド上級編」(筑摩書房)に載っている教えである。
まず就職して、仕事を見つけるように諭しているのだ。
ビジネスを持つことを勧めている金持ち父さんの言葉としては、意外に思えてしまう言葉だ。
しかしこの言葉、キャッシュフロー101においても学ぶことのできる大事な教えなのである。
雨風をしのがねばならない
キャッシュフロー101においては、ファーストトラック(金持ち父さんの生活)に行くまでは、どんなにビジネスが大きくなろうと数が増えようと、元々の仕事は辞められないルールになっている。
生活資金の問題があるからだ。
金持ち父さんも苦しみの最中にあったキヨサキに「きみは食べなきゃいけないし、雨風もしのがなきゃいけない」と諭している。
また、起業家になるのに必要な要素を、働きながら身に付けていくのも大事なことである。
お金のためではなく、学ぶために働くのだ。
キヨサキもゼロックス社でコピー機を売る仕事に就いた経験がある。
そこで学んだことがその後何年かの後に彼に大金をもたらしたという。
「売ることができなければ、起業家にはなれない」
金持ち父さんの言葉だ。
パートタイムでビジネスを始める
働くことの重要性を説きつつも、金持ち父さんはこうも注意している。
「みんなが犯す最大の間違いは、お金のために一生懸命働きすぎることだ」
投資のためにもっと資金が必要だ、と感じた時にパートタイムでより多くの仕事をこなそうと考えてしまう人が多いが、それは間違っているというのだ。
「有利なスタートを切りたいと本当に思っているなら、昼間の仕事を続ける一方で、パートタイムのビジネスを始める必要がある」
「大きな会社のほとんどはパートタイムのビジネスとしてスタートを切っているんだよ」
そのようにしてビジネスを始めるにおいて、重要なのは良い製品を作ることや、自らの製品に情熱を感じることなどではないという。
金持ち父さんはこう言う。
「すばらしい製品はどこにでもころがっている。だが、すばらしいビジネスオーナーはまれである」
キヨサキも「ビル・ゲイツは自分でソフトウエアを開発したわけではない」と書いている。
つまり、重要なのはすばらしいビジネス、システムを作り上げることなのだ。
同書によれば、オンラインの書籍販売大手「アマゾン」もはじめはパートタイムのビジネスとしてガレージで始まったものだという。