気になるグラフはこれ
ロバート・キヨサキの新刊『金持ち父さんの「大金持ちの陰謀」』が、4月からwebちくま http://www.webchikuma.jp/ で無料公開されている。
すでに掲載が早い章から順に削除が始まっているため、今読めるのは連載第五回の第三章以降だ。まだ読んでいない人は今のうちにアクセスしてみることをお勧めしたい。
今でもまだ読める掲載分の中に、気になるグラフが載っているので、今回はそれを紹介しよう。
それは、第十三回の「第十一章 未来のための家を建てる」の後半に出てくる、「連邦準備銀行の通貨発行高」というグラフだ。 http://www.webchikuma.jp/articles/-/203?page=4
通貨の総量が急激に増えている
このグラフは、連邦準備金制度が創設された1913年以降に流通しているすべてのベースマネー(硬貨、紙幣、銀行の準備預金)の総量を表している。
つまり、アメリカドルという通貨の総量の推移を示しているのだが、1971年にニクソン大統領が議会の承認を得ることなくドルの金本位制度を停止したあたりから、徐々に総量が増えていくことが見て取れる。
さらに、サブプライム問題が起こった2007年以降は、金融緩和が繰り返し行われ、グラフの線が直立しているかと思えるくらいの急激な勢いで増えていることに驚かされる。
経済の実態がそれほど発展していないかむしろ低迷している時期なのに通貨の総量が増えれば、通貨あたりの価値は当たり前のこととして減少することになる。
その結果、何が起こるだろうか。
お金の価値が下がっていく
キヨサキは通貨の総量が増えると、次のようなことが起こると考えている。
1.ハイパーインフレが起こる。
2.アメリカ以外の多くの国も紙幣を印刷し続けなければならなくなる。そうしなければ、自国の通貨がドルに対して強くなりすぎて、対米輸出が先細りになるからだ。
3.生活費が上昇する。ハイパーインフレを差し引いても、生活していくこと自体が高くつくようになっていく。
これは何もアメリカだけのことではなく、日銀の異次元の金融緩和が続く日本でも、同じことが起こる可能性がある。
私たちがお金について学ぶ必要がある理由の一つは、まさにここにある。