1929年の株式市場暴落後に何が起こったか

  1. 市場は上昇し続けない
  2. 市場は3つの方向に動く
  3. ロシアン・ルーレットのような投資

市場は上昇し続けない

「ファイナンシャル・プランニング業界のほとんどは、真実とは思えない仮定の上に成り立っている」

「金持ち父さんの予言」(筑摩書房)でロバート・キヨサキはこう訴える。

その仮定とは、「市場は最終的に上昇するものだ」という根拠のない予想だ。

多くの人のポートフォリオに問題があるのも、そもそもの投資プランが、こうしたただの予想にすぎない仮定の上に成り立っているというところだ。

市場は3つの方向に動く

一般人はファイナンシャル教育を受けていないため分からないが、プロ投資家のほとんどはその仮定が真実ではないことを知っている。

現実の世界では、市場は基本的に3つの方向に動くようになっている。

上向き・下向き・横ばいの3つだ。

市場が3つの方向に動くのであれば、投資も「市場は3つの方向に動く」という仮定の元に行わなければいけないのは当然のことだ。

上向きの市場でしかうまくいかない、平均的な投資家のポートフォリオは、つまり3分の1の確率でしかうまくいかないということを意味している。

キャッシュフローゲームでは、このことは遊んでいるうちに体で覚えることができてしまう。

ロシアン・ルーレットのような投資

金持ち父さんも上向きの市場を前提にした投資について

「3つしかない弾倉の2つに弾を込めてシリンダーを回転させ、ロシアン・ルーレットをやっているようなものだ。つまり、負ける確率は3分の2だ。危険極まりない」

と述べている。

1929年の大暴落の後、確かに最終的に市場は持ち直している。

そういう意味では市場が上向きに動いたと考えることもできるが、下がり続けていた期間はなんと25年にもおよぶ。

1929年から1932年のレベルに下がった際に、国民のほとんどがポートフォリオの80%を失ったことを忘れてはいけないだろう。