針の穴を通り抜ける
聖書にある「金持ちが神の国にはいるより、らくだが針の穴を通る方がやさしい」という言葉をもじって、金持ち父さんはこう言っている。
「らくだのことは忘れていい。人間が針の穴を通ることができれば、その人はとても豊かな世界に足を踏み入れる」
(「金持ち父さんの起業する前に読む本」(筑摩書房))。
SからBへ移ること
金持ちになるには、それこそ針の穴を通るように難しいかもしれないが、Sクワドラント(自営業者)からBクワドラントに移る必要がある。
お金を稼ぐためのシステムの中に自分自身が組み込まれている状態では、稼ぎが「自分」の時間や能力に左右されてしまう。
そして、どんな人でも自らの時間と能力には限りがあるため、自営業者である限り、金持ちになることはできないのである。
金持ちになるには、自営業者のように自らがシステムの一部となって仕事にまい進するのではなく、Bクワドラントに移って、自らに勝手にお金が運ばれてくるシステムを作り上げなければならない。
つまり金持ち父さんが言いたかったこととは、「起業家が針の穴を通るには、自分自身は置いていかなくてはだめだ」ということだ。
起業家の知的財産とそれを売るシステムだけが針の穴を通り抜けることができるのだ。
これはロバート・キヨサキで言えば、書籍「金持ち父さん貧乏父さん」と「キャッシュフロー101」がそれにあたる。
成功した企業家の例
1.ヘンリー・フォードは大量生産を目的にした自動車を設計した時、針の穴を通り抜けた。その時まで、車の大部分は注文生産で手作りだった。
2.スティーブ・ジョブズと彼が率いるアップルコンピュータ社のチームはiPodを作り出した時、針の穴を通り抜けた。
3.スティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカスのような人たちも、新しい映画を作り出す時に針の穴を通り抜ける。
4.マクドナルド社はハンバーガービジネスを世界的なフランチャイズ店にすることによって、針の穴を通り抜けた。