4つの投資レベル
「キャッシュフロー101」は、ファイナンシャル・リテラシーを身に付けることができるだけではなく、実世界に4つのレベルの投資があるということを教えてくれる。
ロバート・キヨサキも「金持ち父さんの予言」(筑摩書房)において、
「キムと私もこのゲームが教える、現実に即した投資プランに従った」
と語っている。
まず、第一のレベルは「スモールディール」だ。
キャッシュフローゲームではスモールディール(小さな取引き)とビッグディール(大きな取引き)という2種類のカードを用いる。
いきなりビッグディールから投資をはじめる人も中にはいるだろうが、スモールディールから始めるのが普通だ。
キヨサキの原点もスモール・ディール
ロバート・キヨサキもスモール・ディールから投資をスタートさせた。
彼はまず70年代初めに投資用不動産を購入。
一年も経たないうちに売却し、当時ゼロックス社からもらっていた給料より多い金額を手にした。
これを契機に彼は「よりよい投資家になるために学ぶことに夢中になった」。
また今でも彼とキム・キヨサキは、7.75%の利率で、利子に税金がかからない地方自治体モーゲージリート(不動産担保付きのローンに投資しているREIT)に投資している。
しかも実質12%もの利子を受け取っているという。
こうした投資を現実のものにするためには、株式市場と中央銀行の設定する短期金利に注意を払っていなければならない。
キャッシュフローゲームをプレーしていると、「スモールディールで儲けたお金で、ビッグディールに投資していくべきだ」ということが分かってくる。
ロバート・キヨサキとキムも実世界で全く同じことをして成功している。
スモールディールから得られた利益を元手に、前より大きなアパートを2つ購入。
最初のスモールディールから5年以内で引退することができたという。
さらに上のレベル
キャッシュフローゲームでは、不労所得が総支出を上回ると「ファーストトラック」へと移行する。
現実の世界でも、ファーストトラックの投資は金持ちしかできない。
ここで紹介するファースト・トラックの投資は2種類。
ひとつは、ベンチャースピリットを持つロバート・キヨサキとキムが好む、将来IPO(新規株式公開)行いそうな会社への投資だ。
4、5年後の上場によって、リターンを得るという投資だ。
またもうひとつは、株式公開によって利益を得る投資のひとつで、自らが創業者になるというもの。
創業者として大量に手に入れた株式によって、株式公開後に利益を獲得するのだ。
安定したキャッシュフロー収入を確保できるようになったら、いよいよ「キャッシュフロー202」の世界、つまりオプション市場におけるテクニカル投資の世界に進むことができる。
金持ちではないのにもかかわらずオプション市場での投資に手を出す人も多いが、それはオススメできない。
ロバート・キヨサキも「個人的には、株式や投資信託を選んで買うのはすべての投資戦略の中で一番危険が多いと思っている。
それより、ビジネスや不動産からの安定したキャッシュフローを得られた方がいい」と説いている。
「キャッシュフロー101」と「202」からは、これまでに紹介した4つのレベル、それぞれの投資のあり方を学ぶことができる。
一番リスクが少なくて、より大きく、より安定した収入を得られる投資方法について学習することができるのである。