B=ビジネスオーナーは優秀な人材を求める
つづいて、キャッシュフロー・クワドラントの右側を見ていこう。
クワドラントの右上に位置するBはビジネスオーナーで、本物のBは仕事を他人に任せるのが好きだ。
「人を雇って仕事をやってもらうことができて、しかも自分でやるよりうまくやってくれるとしたら、自分でやることはない」と考える。
だから、E、S、B、Iの4つのクワドラントのすべてから、優秀な人材を集め、自分の周りを固めておきたいと思う。
だがSの項目で説明したように、多くの起業家は、ビジネスを始めても結局はSクワドラントにとどまってしまい、Bに移ることができない。
それは、自分でなにか新しいことを始めたり、いままでにない商品を作りだすことに力をそそぐからだ。
ビジネスオーナーになるために大切なのは、実はビジネスシステムを作ることにある。
つまり、『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』(筑摩書房刊)の冒頭にあるように、バケツで一杯ずつ水を運ぶのではなく、「パイプラインを作る」ということだ。
そうすれば毎日汗を流さなくても、お金が継続的に入ってくるようになる。
そして、そのための素質としてビジネスオーナーに必要不可欠なのが、チームを組んでみんなに働いてもらうためのリーダーシップだ。
I=投資家は有望な投資先を求める
クワドラントの右下に位置するIは投資家を意味する。
投資家はお金でお金を作り出す。
お金が自分の代わりに働いてくれるので、自分で働く必要はない。
そのかわりに、有望な投資先を見つける必要がある。
うまく働いているビジネスシステムを見分けてそこに投資するのだ。
本当の金持ちになれば、投資先は向こうからやってくるようになるから、その中から本当に有望なものを見つけ出すだけの眼力を持てばいい。
あるいは、本当に有望な投資先を見分ける力を持つアドバイザーを見つければいい。
本当の金持ちになるためには、最後にはこのクワドラントに属することになる、と金持ち父さんは言う。
どのクワドラントで金持ちになるか
ここまでで、E、S、B、Iそれぞれのクワドラントの特徴がはっきりしただろうか。
クワドラントの左側では自分だけでお金を生み出そうとするのに対して、左側ではお金を生み出すのに他人の時間やお金を使っている。
クワドラントの左と右では大きく違う、というのはまさにこの点だ。
金持ちになるのに、自分一人の力だけでなく、他人のもつ力を生かすほうが、速く達成できるのはある意味当然だと思えてくる。
だが、自分の属するクワドラントから別のクワドラントに移るのは、なかなか簡単にはいかないとキヨサキは言う。
今の自分がどのクワドラントに属しているのか、どのクワドラントに移りたいのか、そしてどうやったら移れるのかを、じっくり考えてみてはどうだろうか。