値上げが相次ぐ春
「『ペイチェック!』と要求しないと給料はもらえない」というのは、ロバート・キヨサキが考案したゲーム「キャッシュフロー101」のラットレースでの基本ルールのひとつだ。それを頭に置いて読み進んでほしい。
このところ、カップめんやペットボトル飲料、冷凍食品など、値上げの報が続いている。
値上げされない食品や日用品も、「いつのまにか内容量が減っていた」という指摘が2年くらい前からSNSなどで繰り返し行われてきた。
これらを見るとわかるように、物価は実質的に上がっているし、エンゲル係数も指摘されるとおり上昇しているようだ。
それに加えて、手取り賃金が減っているというデータがある。
手取り賃金はどれほど減ったのか
2011年から2017年の6年間で手取り賃金がどのくらい減ったかを見てみると、年収300万円でマイナス20万円(手取り281万円→261万円)、年収500万円でマイナス26万円(手取り434万円→408万円)、年収1000万円でマイナス48万円 (手取り767万円→719万円)になるという(大和総研調べ)。
こうした手取り賃金の減少は、復興増税や所得控除の引き下げ、社会保険料の値上げなどがもたらしたものだと言われている。
さらに今年の10月には、消費税が10%に引き上げられることが決まっている。
一方で、企業に対する減税措置が積極的に取られていて、企業の内部留保ばかりが積み上がっていることも指摘されている。
要求しないと苦しい立場に立たされる
つまり、キャッシュフロー101で「ペイチェック!」と要求しないと給料がもらえない、というのは、ラットレースにいる者が頭に叩き込んでおかなければいけないことだ。
そしてそれは、ゲームのなかだけではなく、現実の社会をも支配しているルールだと思った方がいい。
つまり、雇われて働いている側が主張し要求しないと、結局はどんどん苦しい立場に立たされていくことになる。
まずは、自分の賃金と払っている税金や社会保険料の額などを把握し、本当にこれでいいのかと自問するところから現実を見つめていきたい。