犯罪に手を染めるのは損か得か
ロバート・キヨサキは「金持ち父さん 貧乏父さん」(筑摩書房刊)のなかで、金持ちになるには起業や投資などのほかに、いくつもの方法があると言っている。
たとえば宝くじを買う、金持ちと結婚するなど、成功する確率が低く、もし実現してもその状態を維持することが難しい例もあげている。
そのほかにも、犯罪を犯す、といった非合法な方法もあるが、悪事が露見する危険が伴い、割に合わないことが多い。
その危険を冒しても金持ちになりたいという場合もあるだろうが、たいていは失敗するからやはりまっとうな方法で金持ちになるほうがいいと勧めている。ほとんどの人はこのキヨサキの考えに同意するだろうし、進んで犯罪に手を染めようとはしないだろう。
話し合っただけで犯罪?
ところが今、犯罪を犯すつもりがなくても犯罪者と見なされてしまうかもしれない、という新たな事態が起きようとしている。
テロ等準備罪という名前で今期国会で提案・審議されようとしている法律が可決成立すれば、277もの罪名で「それについて話し合った、考えた、準備した」などの名目で逮捕することが可能になる。
「私はそんな恐ろしいことは考えないし、変な人ともつきあっていないので大丈夫」と言う人も、この法案を一度チェックしてみた方がいい。
LINEでのやりとりやSNSでの絵文字などまでチェックの対象となるそうだから、たまたまフォローしていた人に疑いがかかっただけで容疑者になってしまうかもしれないのだ。
国が国民を監視する
これはいままで3度も廃案になってきた共謀罪を、名前を変えただけで成立させようというもので、そもそもテロ防止には役立たないと指摘されている。
政府はオリンピック開催のためにはこの法律が不可欠だと言っているが、この法律ができればさらに盗聴や密告制度などで国民を監視することになる。結局は警察の権限を限りなく広げ、国民が政権に対して反対できないような体制を作り上げられていくことになるだろう。
やはりキヨサキが言うように、法律の変化にはいつも注意しチェックしていたほうがよさそうだ。