お金の本質とは何か?――新刊『金持ち父さんの「大金持ちの陰謀」』ウェブで無料公開中

  1. 世界大恐慌は25年続いた
  2. 銀行からお金を盗む方法
  3. 銀行が破綻したらどうなる?

世界大恐慌は25年続いた

すでにお知らせしたように、ロバート・キヨサキの新刊『金持ち父さんの「大金持ちの陰謀」』が、いまwebちくま( http://www.webchikuma.jp/ )で無料公開されている。

最新の更新で新たに公開されたのは、「第四章 私たちの富に対する陰謀」「第五章 私たちのファイナンシャル・インテリジェンスに対する陰謀」の二つだ。

第四章は25年続いたという世界大恐慌の話から始まり、不況にはデフレ型とハイパーインフレ型があること、不況になると何が起こるか、などが語られる。

特に注目したいのは、不況になって大企業や社会保障制度の存続が危うくなると、それを支えるために国民のお金がつぎ込まれることについて、これは実は資本主義ではなく、大企業や組織に対して手厚い社会主義になっているのではないか、というキヨサキの指摘だ。

銀行からお金を盗む方法

第五章は、キヨサキの考え方の根幹の一つをなしているお金の本質についての章だが、次のような刺激的な問答から始まっている。

問い:銀行の金を盗むいちばんの方法は?
答え:銀行の金を盗むいちばんの方法は、銀行を所有することだ。

この、現代の銀行家が銀行からお金を盗む方法は、部分準備銀行制度と預金保険の二つだとキヨサキは言う。

部分準備銀行制度とは次のようなものだ。

準備比率の限度が一二対一だとして、あなたが銀行に一〇〇ドル預けたら、その銀行はこの一〇〇ドルをもとに一 二〇〇ドルまでの貸付をすることが認められる。

これが行われると、あなたのお金は削られ水増しされて、インフレが促進される。

銀行が破綻したらどうなる?

もう一つの預金保険、この制度があるから安心だと考えて私たちは銀行にお金を預けるが、実はこの制度は私たちを安心させ、取り付け騒ぎを抑止する力しかないとキヨサキは指摘する。

万が一、そのような事態が起こった時に、この制度で外からお金が注入され(ベイルアウトという。そこには私たちの税金も含まれる)、救済されるのは大銀行だけだ。

実際、ヨーロッパでは最近、イタリアで銀行の取り付け騒ぎがおこったり、オーストリアで銀行のベイルイン(銀行が預金者の預金の一部を強制的に使い自分たちを救済すること)が実施されたりという事例が見られるようだ。

お金は、もともと物々交換から生まれ、商品貨幣⇒兌換紙幣⇒部分準備兌換紙幣⇒不換紙幣へと進化し、不換紙幣となった時点でその本質は大きく変わった。

その本質を学ぶことが、これからを生き延びる大きな力になる。