異例の低金利時代に終止符?
3月19日の昼過ぎ、日銀は金融政策決定会合を開き、銀行が日銀に預ける預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用する「マイナス金利政策」を解除することを決定したというニュースが流れた。
すでにかなり前から予測されていたことであり、ドル円が少し円安に動いたほかは市場への大きな影響は見られなかったようだ。
その前の週にドル円が円高に振れて1ドル=146円台に近づき、その影響で日経平均株価が一時1000円以上も急落したことで、今回の決定はすでに織り込み済みだったのかもしれない。
今回の決定で17年ぶりに金利が上昇傾向に変わったことで、この先ローン金利が上がっていくのではという不安の声も聞こえてくる。
それほど急激な利上げは経済状況を見る限りなさそうに思えるが、いずれにしても日本では長期間にわたって異例の低金利が続いていたという事実はしっかり認識しておきたい。
確定申告で見えてくるもの
3月と言えば確定申告の時期だが、みなさん無事に確定申告を済ませたことと思う。
確定申告は面倒だし税金を払うのは楽しいことではないけれど、それなりの意味もあるのではないかと思っている。
それは、前年の収入・所得・税金・社会保険料(これも実は税金)などを改めて把握し直すことで、税制のしくみと現状について理解し、また自分の経済的な立ち位置を再確認できることだ。
給与所得者は年末調整などで済んでしまうため、この理解と再確認ができないまま税金を払っているが、ぜひ一度、国税庁のサイトなどで確定申告のシミュレーションをしてみることをお勧めする。
また確定申告と併せて、毎年の収入・所得・税額および資産・負債等の変化を確認することもお勧めしたい。
今後の資産作りの方針を決めるヒントが見えてくるかもしれない。
女性の貧困の原因は
3月と言えばもうひとつ、3月8日は国際女性デー。
1904年3月8日にニューヨークで女性労働者が婦人参政権を要求してデモを起こしたことを記念し、「女性の政治的自由と平等のために戦う日」と定められたという。
それにちなんで、女性をとりまく経済的不平等や家庭内DVなどについての報道が増えた。
なかでも東京新聞が3月8日に報じた「女性の賃金は男性より3割安く、半分は「説明できない格差」」という記事が問題の本質に踏み込んでいたように思う。
記事の中で明治大の原ひろみ教授(労働経済学)は次のように述べている。
国際的な意識調査によると、男性が外で仕事をして女性が家で家事をすべきだという伝統的な性別役割分担意識が日本は強い。
これは『女性は会社での仕事に向いていない』というアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)につながる。
このあたりをなんとか解決していかないと、日本はますます息苦しく停滞する社会になっていくのではないだろうか。