なにができるか、なにをすべきか考える

  1. 25カ月連続で実質賃金がマイナスに
  2. 大企業優遇と三権分立の不在
  3. お金について学び直そう

25カ月連続で実質賃金がマイナスに

6月5日に厚生労働省が公表した4月の毎月勤労統計調査の速報によると、実質賃金は25カ月連続でマイナス(賃金の上昇が物価高騰に追いつかない状態)となり、リーマンショック時の23カ月を抜いて過去最長を更新した。

つまり、働く人の生活が長期にわたって苦しくなっているということだが、政府が有効な対策を取っている様子は何一つ見えてこない。

このままズルズルと苦しい状況が続いていくのだろうか。

振り返ってみれば、1985年にごく専門的な職種に限って制定された労働者派遣法が1996年から現在まで対象を大きく広げ続け、今では公務員における派遣労働者の割合までもが拡大している。

直接雇用ではないため構造的に賃上げの要求も出しにくく国の定める最低賃金が目安となってしまい、賃金の上昇を抑える一因となっている。

大企業優遇と三権分立の不在

また、1989年に3%で導入された消費税は福祉の財源という名目で10%まで増税されたが、実際には法人税の減税と輸出企業への還付金に使われてきた。

こうしたことを考えあわせると、日本ではここ30年ほどのあいだ国民の生活よりも大企業の利益を優先する政策が行われてきたと言っていいだろう。

大企業優先の政治をする今の政権を大企業は献金などで支え、そうしたお金を使って与党は選挙に勝ってきたわけだが、今でも自民党の最大の関心事は

「どうやったら政権を手放さずにいられるか」なのだろう。

政権の座にあった政治家でも厳しく裁く国はあるが、日本では検察の腰が引けて起訴さえもされないことが、今回の自民党の裏金疑惑ではっきりわかったと思う。

民主主義社会であれば存在すると教えられてきた「三権分立」がこの国では機能しなくなっているのは、私たち国民がしっかり主張し守らなかったせいかもしれない。

あわせて立法・行政・司法の3つの権力と並んで「第4の権力」とも称されるマスコミがその機能を果たさなくなっているのは残念と言うしかない。

正しい現状把握と適切な批判と対策があってこそ、社会は進歩していくのだから。

お金について学び直そう

「そうは言ってもアベノミクスで株価は上がったし、不動産も上がったではないか」という人もいるだろう。

だが、すでにアベノミクスの強烈な副作用が不景気・物価高騰・円安という形で現われているし、残念ながらこのスタグフレーションからの脱却の道筋は見えていない。

この先、格差がますます拡大していき、社会状況も悪化していくのではないかという強い懸念さえ生まれている。

ここまできたからは、ひとりひとりが現状を正しく把握して可能な対策を考え、自分のできることをしていくしかないのだろうか。

お金と生き方についてよく考えて自分の進むべき道を選ぼう。

その道しるべとして、まずはロバート・キヨサキの『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』『改訂版 金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』を読み直し、自分の生活を切り開き、社会を変えていくことを目指そう。