投資を始めるその前に
ロバート・キヨサキの『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』や『改訂版 金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』を読んで、「よし、負債じゃなく資産を手に入れよう!」「投資をするぞ!」と決意する人は多い。
手始めに何をしようかと夢をふくらませ、株、投資信託、FX、商品先物取引、不動産投資、ネットワークビジネス、起業……と、様々な選択肢についての本やネットの情報を調べ、迷いながらもわくわくしていることだろう。
だが、そのいずれかの道を選んで実際に一歩踏み出すその前に、ひとつやるべきことがある。
それは、目的地を決めることと、出発する前に自分の現在位置を確認することだ。
億万長者になりたいか、子どもを大学にやりたいか
投資の目的は人それぞれだ。
起業して会社を大きくし、上場して世界的な大富豪になるのが究極の目的だ、という人もいるだろう。
あるいは結婚して子どもたちに十分な教育をほどこしてやりたいから、そのための余分な収入が欲しい、という人もいるだろう。
どのくらいの資産を手に入れ、どのくらいの収入をいつまでに実現するか、自分なりの目標と計画をノートに書き出し、具体的に検討を始めよう。
自分の財務諸表を作ってみる
当然ながら、投資する間も生活していく必要があるので、投資は余裕資金でするのが鉄則だ。
いま、自分が月に(あるいは1年に)いくら収入があり、いくら支出しているのか(つまり生活にいくら必要なのか)、いくら余裕の資金(つまりキャッシュフロー)がうまれるのか、あなたは把握できているだろうか。
さらに、資産と負債はどのくらいあるか、資産のうち投資に使えるのはどれだけか、いまある資産や負債をより有利な条件に改善できる可能性はあるかも確認しよう。(もしクレジットカードでリボ払いをしているなら、即刻やめよう。)
つまりは金持ち父さんの基本の教えのひとつである財務諸表を作って、自分がいま存在する場所を数字で把握し、自分のお金をコントロールするということだ。
キヨサキ考案の「キャッシュフローゲーム」のゲームシートと同じように、この確認を定期的に行う習慣を身に付けよう。
もしここがきちんと把握できていないようなら、投資を始めるより前に、まず家計簿をつけることから始めよう。