アメリカの顔色ばかり見ている

  1. 5カ国を駆け足で訪問
  2. 国会での議論は後回し
  3. 自衛隊(=米軍)の基地建設が進む

5カ国を駆け足で訪問

岸田首相が1月9日から欧米5カ国を駆け足で歴訪し、15日に帰国したことが報じられている。

現地時間の9日にフランスでマクロン大統領、10日にイタリアでメローニ首相、11日に英国でスナク首相、12日にカナダでトルドー首相、13日にアメリカでバイデン大統領と会談したという。

そのうち、イギリスとの「円滑化協定」(RAA)に署名したことが大きく報道されたが、これは自衛隊とイギリス軍がお互いの国へ駐留や武器弾薬の持ち込みをすることを簡単にするもので、日英同盟復活とネットで騒がれたりしている。

昨年12月には日英伊で戦闘機を開発し第三国へ輸出する方向へと進んでいることが報道されたが、今回の歴訪はそのこととも関連していそうだ。

国会での議論は後回し

歴訪の締めくくりとして、岸田首相は米大統領に国防力強化の方針を伝え、その翌日には記者会見を開いてこれから自国民によく説明すると述べた。

今回の歴訪のメインはバイデン大統領との会談だと報じられていたが、いわば、アメリカから要請されていた兵器の大量購入を約束しに行ったようなものだろう。

バイデン大統領はホワイトハウスの玄関に出迎えに出たものの、この日は夕食会も共同声明もなく、米国内ではニュースとしてまったく報じられなかったという。

日本国内では、昨年の国会終了後に「安保3文書」の改定を閣議決定し軍備増強の方針を示したのは今回の訪米のためだったか、米大統領に伝えに行く前に国会で議論をすべきだ、という批判の声も多く聞かれる。

自衛隊(=米軍)の基地建設が進む

あまり報道されていないが、いま与那国島、石垣島、宮古島、沖縄本島、奄美大島、馬毛島(屋久島、種子島に近い)など南西諸島で、自衛隊の基地の新設や増設が急ピッチで進んでいる。

自衛隊の基地ができてしまえば米軍がそこを使い、ミサイルも配備されることになる。いったん何か起これば、そうした基地が攻撃目標となるのは火を見るよりも明らかだ。

第二次安倍政権のころから、アメリカ大統領が日本を訪問する際に横田基地から出入国するようになったが、それはほとんど日本は今もアメリカ軍の占領下にあると言われて黙っているようなものだろう。

食料も燃料も自給できない国がアメリカに言われるままに軍事国家への道を進んでしまっていいのか。言われているような「周辺国との危機」は外交で解決すべきものではないのか。自民党は保身のためにアメリカの言いなりになっているが、本当にそれでいいのか。

政治家もメディアも、日本がこれからどうしていくべきなのか、しっかり見据えて行動してほしい。