日経平均は2週間でほぼ戻す
日経平均は8月5日に過去最大の下落幅を記録し31000円台まで下げたが、その後は順調な回復ぶりを見せて8月16日には再び38000円台をつけた。
これで日経平均株価は7月11日に記録した史上最高値42224円の90%、暴落直前の7月終値39101円の98.7%まで戻したことになるが、19日にはまた674円(1.7%)のマイナスと、相変わらずドル円の為替に連動して荒い値動きをしている。
株式投資している人なら値動きは当然気になるだろうが、いくら気にしても日経平均が思い通りに動くわけもなく、予測を立てても占いくらいの意味しかないと割り切ったほうがいいのかもしれない。
株価の動きに必要以上に振り回されずにもっと身近で具体的な出来事に目を向けたほうが、いろいろな角度からものが見えて気づくことが増えるのは確かだろう。
スーパー店頭でコメが品薄に
そういえば「スーパーの店頭にコメがない」という話がしばらく前からネットなどで流れていたが、ここへ来てマスコミが取り上げるようになった。
いくつかのメディアが「2023年は猛暑でコメが不作だったから」「インバウンドでコメの消費が増えたから」などを品薄の原因として挙げていたようだが、はたして本当だろうか。
2023年は暑さで一部等級が落ちる傾向があったものの、コメの作柄は101と平年並みの出来だったようだ。
また、最近はオーバーツーリズムという言葉をよく聞くが、外国人観光客によるコメの消費量は全体の0.5%に過ぎないと専門家はみているらしい。
ではなぜ、スーパーの店頭でコメが品薄になっているのか。
衆議院のもとむら伸子議員(@motomura_nobuko)が農水省から聞き取りをしてX(旧twitter)で発信しているが、要約すると次のようなことらしい。
全国的にはコメの在庫はある。外食産業で不足しているとは聞いていない。
夏の時期は暑さでコメの消費量が減少するのでスーパーなどが在庫を絞っていたところに台風や地震に備えての購入が増えたため、一時的に欠品する店舗が増えたのではないか。
新米が出回れば解決するはずなのでそれまで工夫して乗り切ってほしい。
政府の備蓄米を放出すると米価を下げて農家の収入を圧迫することになるため実施の予定はない
国民の生活を支えるのが政府の役目
農水省は限定的な現象だとしてさほど重大視していないようだが、すでに4月頃から価格が上昇し始めていたのではないか、コメの民間在庫が減っているのではないかといった指摘をしている人もいる。
政府は長年、減反政策をとってコメの収穫量を減らしてきたし、各国で行っている農家への補助政策もとらないまま農業従事者の平均年齢は67歳と高齢化が進んでいる。
現政権が第一次産業を軽視する姿勢は一貫していて、2023年には酪農家が相次いで廃業に追い込まれるといった事態も引き起こしてきた。
税収が3年連続で最高額となったと報じられているが、国防予算ばかりが膨れていき、他の産業や教育・文化などにもお金がまわっていかないのが現状だ。
コメは日本の主食だ。政府はもう少し国民の生活を支える分野に関心を持ってほしいと思う。
8月13日にコメの市場価格から算出する「堂島コメ指数」が上場になったそうだが、数字の動きにばかり気をとられず、まずはコメの生産者を守ってほしいと切に思う。