あらしのあとに

  1. 自分の位置を確認しよう
  2. 改善点をさがす
  3. 常に情報を集めて自分の頭で考える

自分の位置を確認しよう

台風10号で大きな被害を受けた地域の皆さんにお見舞いを申し上げます。

日本列島付近に居座った台風サンサンの動向に気をとられているうちに、いつのまにか9月に入っていた。

今年も3分の2が過ぎたわけだが、このあたりで一度、自分の財務諸表をじっくり確認してみてはどうだろう。

年明けと年度始めに書いたように、目標を決めたら記録をつけて自分がどれだけ進んでいるかをチェックすることが大事だ。

お金についても目標を決めて、ロバート・キヨサキが『改訂版 金持ち父さん貧乏父さん』(筑摩書房刊 電子書籍もある)やゲーム『キャッシュフロー101』で紹介している財務諸表を毎月書いて自分の収入と支出、資産と負債を把握しようと提案した。みなさん実行していることと思う。

改善点をさがす

では、手元に用意した財務諸表の収入と支出、資産と負債の数字の変化を改めて眺めてみよう。

収入は増えたか減ったか、収入からどれだけ税金(社会保険料含む)を支払っているか、支出はうまくコントロールできているか、資産は順調に増えているか、悪い負債は増えていないか、といった点を見ていこう。

1年の3分の2が過ぎたところだから、年末までに資産がどのくらいになっているか、だいたいの予測がつくと思う。

その予測値は満足できる数字だろうか。満足できるラインに達していないとしたら、何が原因だろうか。改善すべき点はどこだろう。

そして最初に立てた目標と、なぜその目標を設定したのかをもう一度思い出して、これからやることを確認し直そう。

常に情報を集めて自分の頭で考える

資産を築き金持ちになりたいなら、まずはお金を大切に扱ってコントロールできるようになることが大事だ。これは常に変わらぬ基本の第一歩なので忘れないようにしよう。

だが別の要因についても忘れてはならない。

基本を守って資産を築いていったとしても、自分の暮らす国や世界が大きく変わってしまったら思い描いていたものは手に入らなくなるかもしれない、ということだ。

例えば、ある日憲法や法律が変わって、資産に高額の税金がかかるとか、私有財産が没収されるとか、戦争が起こって徴兵制が始まるとか、そういうことは歴史のなかにいくつも見つけることができる。

そういう変化がおこらないにしても、自国通貨の価値が大きく下がれば資産は半分どころか10分の1にさえなって、食料さえ不足し始めるかもしれない。

外貨や外国株で持っていたとしても、その国の国力が落ちればやはり資産価値は大きく目減りすることになる。

「心配しなくてもそんなに大きな変化はすぐには起きないよ」とたかをくくっていて大丈夫だろうか。

私たちは常に情報を集めて裏を取り自分の頭で考え、警戒と監視を続け、必要な時には反対の声をあげ、自分の身を守る必要があることを忘れてはいけない。