自分の現実を広げる
金持ちになるためのプランを作り、それにそって進んでいるとき、壁にぶつかることがある。
あるとき、金持ち父さんはロバート・キヨサキにこんな話をした。
「人が『私にはそれは買えない』『きみにはそれはできない』『それは不可能だ』などと言うとき、その人は自分の現実の中にいて、自分の現実の外にあることについて話をしているんだ。」
(「金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法」筑摩書房刊)
現実という壁にぶつかったとき、不可能なことを可能にするためには、自分の現実を広げる必要がある、と金持ち父さんは言っているのだ。
次の図を見てみよう。

これはキヨサキがセミナーでよく描く水の入ったコップの図だが、いったい何を意味しているのだろうか。
コンテンツとコンテクスト
コップで表されるコンテクストとは、あなたが「自分にはここまでできる」と思っている可能性の限界のこと。
コップの中の水で表されるコンテンツとは、あなたが問題や課題に立ち向かうときに使う、蓄積された知識のことだ。
コンテンツを増やすこと、つまり知識を蓄積することの大切さは意識しやすいので、知識を増やそうと努力している人は多いだろう。
一方で、コンテクストを大きくしよう、自分の現実を広げようと努力するのはなかなかむずかしい。
しかし、いくら中の水をふやそうとしても、コップの大きさ以上には水は入れられない。
水を増やすためには、コップの大きさを広げることも大事なのだ。
「自分にはできない」という現実の壁にぶつかったときに、どうしたらそれができるかと知恵を絞り、一歩踏み出してこそコンテクストが大きくなり、可能性が生まれる。
キヨサキはその例として、次のような自分の体験を語っている。
ピンチはチャンス
ロバート・キヨサキとキム・キヨサキがまだ不動産投資を始めてまもないころのことだ。
とてもいい賃貸物件が売りに出たと、知り合いの不動産業者から電話がかかってきた。
情報をオープンにする前に、確実に買ってくれそうなあなたにだけ知らせるので、2時間以内に返事がほしいという。
さっそく現地に物件を見に行ってみると、申し分のない物件だった。(詳細について知りたければ、本を読んでほしい。)
すぐに買付け申込みをしたが、問題は資金だ。
実は直前にほかの物件を買ってしまったため、手元に資金がまったくない。
そのうえ、これまでに買ってきたよりも、ずっと規模が大きく高額な物件だ。
そこで、フルローンでの融資を引き出すため、片っ端から金融機関にあたってみた。
最初はほとんど手応えがなかったが、いくつもの銀行で断られ続けるうちに、その物件が間違いなく収益を生み出す価値ある物件であることを、うまくアピールすることができるようになり、ついに融資してもらうことができた。
こうした体験を重ねることによって、自分のコンテクストを大きくしていくことができるのだ。