B-Iトライアングルの3つの柱
ロバート・キヨサキは、『金持ち父さんの起業する前に読む本』(筑摩書房刊)のなかで、B-Iトライアングルについて説明している。
B-Iトライアングルは、ビジネスを成功させるために必要不可欠な要素を示したもので、BとIは、キャッシュフロー・クワドラントのビジネスオーナーと投資家を意味する。
この図の内側の5つの要素は、ビジネスを構成する仕事を意味する。
そして、外側の三角形で示された3つの柱は、ビジネスを支える枠組みを示す。
つまり、ビジネスがうまくいくためには、はっきりとした使命のもとに、すぐれたチームが結成され、強いリーダーシップが全体を率いていく必要があることを意味する。
このうちのひとつ、リーダーシップに注目してみよう。
金持ち父さんの答え
ビジネスリーダーにとって大事な仕事は何かとキヨサキが尋ねたとき、金持ち父さんは8つの仕事を挙げた。
これを見れば、ビジネスリーダーとは何かがつかめるだろう。
1.会社の使命、目標、ビジョンを明確にすること
2.最高の人材を見つけ、チームを結成すること
3.会社を内側から強くすること
4.会社を外に向かって大きくすること
5.最終的な利益を増やすこと
6.研究開発に投資すること
7.有形資産に投資すること
8.企業を通して社会に貢献する良き市民であること
最初は使命だけがあった
起業したいと考える人は、たいてい問題を解決したいという気持ちからスタートする。
「こんな製品(サービス)があったら困っている人が助かるだろう。そうすればよりよい社会になる」
これをB-Iトライアングルにあてはめてみれば「使命」だということになる。
そして起業家は次に製品やサービスを作る。
これで外側の三角形の底辺にある「使命」と内側の三角形のいちばん上にある「製品」ができたことになる。
だが、これではまだビジネスとして成立していない。
ビジネスとして成立するためには、チームやキャッシュフローをはじめとする、B-Iトライアングルの残りの部分が必要不可欠だからだ。
そこで必要になるのがリーダーシップであり、リーダーシップこそが、このB-Iトライアングルの残りの部分を作り出していく原動力となる。
ビジネスリーダーの仕事は、大変だがじつにやりがいのある仕事だ。