成功するために不可欠なもの
ロバート・キヨサキは、ドナルド・トランプとの共著『黄金を生み出すミダスタッチ』(筑摩書房刊)で、起業家として成功するための5つの教えをとりあげている。
これは起業家にとってはもちろんのこと、ビジネスや投資をはじめ、あらゆることで成功するために大事な教えだと言えるだろう。
まず、5本の指にたとえられた5つの教えをもういちど確認しておこう。
親指…人間的な強さ
人差し指…フォーカス
中指…ブランド
薬指…人間関係
小指…小さいけれど大事なこと
この5つの要素のどれもが、ビジネスや投資で成功するためには必要不可欠なものだと、トランプとキヨサキは言う。
どれだけフォーカスする力があるか
5つの要素のうち、人差し指で表されるフォーカスは、成功をつかみとるためには特に大事な要素だ。
いくら素晴らしいアイディアを持っていても、そこに向かって努力を続けることができなければ、それはただの夢物語になってしまう。
すぐれたビジョンがあったとしても、言うことややることが次々と変わったりしたら、説得力をもって周囲を動かしていくことはできないだろう。
自分にどれだけのフォーカス能力があるのか、次の項目をチェックしてみよう。
・状況が困難になった時、どれくらいの期間、我慢してやり続けられるか?
・簡単に気が散ってしまうタイプの人間か? どんなことで気が散るか?
・自分のアイディアをうまく他人に売り込めるか?
・単なるビジョン、つまりまだ存在しないものに時間とお金をつぎこむように他人を説得できるか?
・あなたがこれまでにゼロから考え出したプロジェクトはどのようなものがあるか?
・その世界に入るのに、あなたはどれくらい準備ができているか?
・自分の力、信念に疑問を持った時でも、前に進み続けられるか?
フォーカスできなかったら成功はない
チェックの結果はどうだろうか。
もしこのチェックで、自分にはフォーカスの能力が足りないとわかったとしても、がっかりすることはない。
まずフォーカスする力をつけるためにフォーカスすればいい、とキヨサキは勧める。
フォーカスする能力を持っていない人も努力すればそれを開発することができるし、すでに持っている人はさらに強化することが可能だ。
キヨサキは海兵隊での経験でフォーカス力を身につけたと語っているが、生死をかけた厳しい状況に直面することで、フォーカス力がぐんと高まったのだろう。
もちろん、軍隊生活に限らずあらゆる場所でフォーカス力を伸ばすことはできるはずだから、今日からそうした意識をもって行動してみてはどうだろうか。