マイナカードのキャンペーンとは?

  1. マイナンバーとは?
  2. 2万円キャンペーンと健康保険証の廃止
  3. マイナポータルの利用規約

マイナンバーとは?

健康保険証(および運転免許証)をマイナカードに統一するという話が続いているが、まずマイナンバーについておさらいをしておこう。

マイナンバーというのは通称(愛称)で、正式名称は個人番号、日本に住む人一人一人にあらかじめ国が割り振った12桁の番号のことだ。

この番号は外国籍の人も含めて日本に住民票のある人に国がつけるもので、日本国籍でも国外に住所を移すと失効し、国内に戻ると同じ番号が使われるという。

マイナンバーカード(マイナカード)を取得しなくてもすでに私たち国民には番号がつけられており、役所の手続き等でその番号を使うのも義務ではなく任意であると法律によって決められている。(といっても、新たに銀行口座を作る際などには金融機関側にマイナンバーの確認義務があるため、実質義務化されている部分もある。)

2万円キャンペーンと健康保険証の廃止

国はマイナンバーカードの普及を加速したいらしく、2022年のはじめから「いまマイナンバーカードを作ると最大2万円分のマイナポイントがもらえる!」というキャンペーン第二弾を開始、1.マイナカードの取得、2.健康保険証との紐付け、3.銀行口座の登録に1人2万円分のポイントを付与している(1は2022年12月末まで、2,3は2023年2月末まで)。

しかし普及率はなかなか上がらず5割に満たなかったため、今度は「紙の健康保険証は2024年秋をめどに使えなくするからマイナンバーカードを作るように」と言い、民間の診療所に対しては、「マイナンバーカードの読み取り器械を導入しないと医療機関としての資格を取り消すかも……」という脅しとも取れる通知が来ているという。

健康保険証の廃止に関しては、国会で「マイナンバーカードを作らない人は医者にかかれなくなるのか」と質問されて、「窓口でいったん医療費の全額を負担してもらい、あとで払い戻すことになる」「窓口での全額負担にならないよう現在の健康保険証とは別のシステムを作る」と政府の答弁が二転三転し、「現在の健康保険証を廃止しなければ問題は起こらないのでは?」と批判されている。

また、マイナンバーカードはデータを読み取らないと健康保険証として認識できないため、停電時はどうするのか、暗証番号を忘れた(間違った)ときはどうするのか、長期入院者などのカードが入院中に失効したときはどうするのか、といった運用上の現実的な疑問も出てきている(暗証番号を忘れた(間違った)場合やカードの失効・紛失時には、本人が自治体の役所まで出向いて登録し直す必要がある)。

マイナポータルの利用規約

マイナンバーカードは国が付与した番号と顔写真や住所を示すものだが、実はこれはマイナポータルというデジタル庁のシステムに個人が任意で申し込んで作るカードだ。

新たにカードを作るときに利用規約を読むのはなかなか面倒でサボりがちではあるが、マイナンバーカードは多くの個人情報と紐付けされるものなので、作るときにはマイナポータルの利用規約くらいは眺めてみたほうがいいだろう。

すると、その運用に関して内閣総理大臣に大きな権限を与えていること、何かトラブルがおこって損害が生じてもデジタル庁は免責されること、必要があればデジタル庁はいつでも予告なく利用規約を変更できること、などが読み取れる。

マイナンバーカードを作ると自動的にこの利用規約に同意したことになるが、はたしてこのシステムは安全なのか、私たち国民にとってカードを作るメリットはどこにあるのか、結局は国が国民の資産状況など個人情報を把握し利用したいだけではないか……などと疑問が浮かび、もやもやとしてしまう。

ちなみに、共同通信社が10月末に実施した全国緊急電話世論調査では、2024年秋に健康保険証を原則廃止しマイナンバーカードに一本化する方針について、「反対」49.3%、「賛成」47.4%という結果が出ている。