マイナス金利の導入
「日本銀行は1月末の金融政策決定会合で、銀行から預かる当座預金にマイナス金利を導入すると決定した」というニュースが流れた。
これは日本経済をインフレに誘導しようと、日銀がこれまで進めてきた量的質的金融緩和に加えてのさらなる措置だと言われるが、私たちにどんな影響があるのだろうか。
当初、このマイナス金利は銀行から預かる当座預金の一部にしか適用されないため一般の預金者に影響はないと言われていた。
しかし、週が明けると定期預金の金利を下げる銀行や定期預金の受け入れを中止する銀行が相次ぎ、普通預金では年金利0.001%、つまり100万円を1年預けて税引き後の利息が8円という銀行まで現れた。
預金する人は負ける
まさに、キヨサキが言うように、預金する人は負ける、というのが形になって見えてきたのかもしれない。
以前は、預金をすると金利がついてお金が増えたが、いまは違う。
なぜなら、市場にお金があふれていて銀行はお金を調達するために預金を以前ほどは必要としていないので、高い利子を払ってお金を集める必要がない。
むしろ、お金をおいておくとマイナスの金利がかかるので、銀行はお金を貸し出す必要があり、このところ過去最低水準にあった住宅ローンの金利もさらに下がるようだ。
また、これにより業績の見通しが悪化したため銀行の株価は軒並み下がり、地方銀行の先行きや地方経済のさらなる停滞を危ぶむ声もある。
自国通貨の切り下げ
この日銀の決定で円は下がり、日経平均株価は上がったが、それがいつまで続くのかはわからない。
この量的質的金融緩和からマイナス金利導入までの一連の流れを、円切り下げのための通貨戦争の動きだと指摘する人もいる。
いまや、どこの国も他国よりも通貨を引き下げることで、自国の製品やサービスを安く多く売ろうとしているようだ。
マイナス金利導入について、誰が何をどの媒体で言っているかチェックしてみてはどうだろう。
お金とは何かを考えるいいきっかけになるのではないだろうか。