お金は便利な道具
1月末に日銀がマイナス金利の導入を決めたことで、株式市場や円相場が激動している。
マイナス金利とは何か、これから何が起こるのか、という疑問や不安はぬぐえないが、それ以前に、お金とは何かという根源的な問題について考えてみる必要があるのかもしれない。
ロバート・キヨサキも「金持ち父さん」シリーズで書いているが、ごく大雑把にいえば、お金はもともと物々交換をよりスムーズに行うために、貝殻や穀物、金や銀など価値の決まったものでやりとりすることから始まった。
その後、銀行が貴金属などの預かり証を発行したところから兌換紙幣が生まれ、さらに金銀などの裏付けのない不換紙幣へと変質していった。
そして、お金がデジタルな数字でしかなくなった今、いずれは紙幣や貨幣が姿を消すことになるだろうという予測がつく。
デジタルであることのメリットとデメリット
こうしてみると、お金はこれまで、より便利な方向へと変化してきたわけだが、お金がデジタルな数字でしかなくなったことで何が起きただろうか。
メリットは、お金の速度が速くなり、瞬時に移動できるようになったことだ。
たとえば、私たちは今、クリック一つでFXや株の取引ができるし、ネットでの買い物もクレジットカードですぐに決済できる。
店頭に金貨を持って行って支払うことを考えたら、どれほど速度が上がったことかとため息が出るほどだ。
デメリットは、その便利なしくみのおかげで瞬時にいっせいに動くようになったこと。
自動売買といったシステムによって実態とは関係なく相場が動くようになったせいもあって、これまで以上に市場が不安定になり、世界同時株安など大規模な暴落も起きやすくなっている。
何が富なのか
では、お金の本質はどこにあると考えて、これからどうしていくのがいいのか。
現在の進化したお金のスピードに合わせてテクニックを磨き、株式やFXなどでデジタルなお金を増やしていく、という道を選ぶこともできる。
一方で、今のお金には実体がないので、代わりに価値の変わらない金や銀を手に入れて保有しておきたいという考え方もあるだろう。
あるいは、日々途切れることなくキャッシュフローが入ってくるようなビジネスを作り出したいと考える人もいる。
さらに、お金よりも、また金や銀よりも、安全な水や食べ物など生存に欠かせないものに最大の価値を見出す人もいるかもしれない。
そうした考え方は、富の正体を考えるうえで一つのヒントとなるだろう。
お金とは何か、お金についてどんなふうに考えているのか、家族や友人と一度じっくり話し合ってみてはどうだろうか。