「憲法改正」への危機感が広がる

  1. 憲法記念日に9万人
  2. 戦争ビジネスのできる国へ
  3. 憲法は権力者を縛るもの
  4. 円安とオイルショック

憲法記念日に9万人

5月3日は憲法記念日。1946年(昭和21年)5月3日に日本国憲法が施行されたのを祝う日だ。

東京では毎年、有明防災公園で護憲の立場をとる人々が憲法大集会を開き、3万人ほどが集まるというが、今年はこの集会に約5万人が集まったと発表された。

それだけではない。全国230カ所以上でこの集会に連帯するスタンディングなどが開かれ、すべての参加者を合計すると9万3千人に達したという。

これは、高市自民政権が進めようとしている「憲法改正」に対する危機感の高まりを示しているのだろう。

こうした草の根の動きを日本のマスコミはあまり報じていないようだが、ネットを通じて海外にも広く発信されている。

戦争ビジネスのできる国へ

5月3日、NHKの「日曜討論」は「憲法記念日特集–日本の安全保障と憲法」と題して、時間枠を通常よりも拡大して放送した。

しかしその内容は改憲に傾き、簡単にまとめれば「どのようにして日本を戦争ビジネスで儲けられる国にするか」というものでしかないと感じられた。

そもそも、今の平和憲法を変えるべきという議論は国民のあいだで活発ではなく、選挙の際に行われる世論調査では改憲についての国民の関心は数%と低いままだ。

いっぽうで、改憲を党是(党の原理原則)としてきた政党が自民党であり、この党がCIAから資金援助を受けてきた(これは陰謀論ではなく米公文書で明らかになっている事実である)ことを引き合いに出すまでもなく、改憲はアメリカの意向があってのことなのは明らかだ。

そこに経済界の要望も加わって、国会での与党勢力が強まった今、戦争ビジネスに向けて改憲を急いで進めようとしていると見るべきだろう。

だが、この日の日曜討論でれいわ新選組の奥田ふみよ共同代表が発言したように、憲法とは権力者の行為を制限するための最高法規であり、国会議員や総理大臣などの特別職国家公務員を含めすべての公務員には憲法を守る義務がある(日本国憲法第九十九条)ことを忘れてはいけない。

憲法は権力者を縛るもの

憲法記念日にからめて、マスコミ各社も憲法改正についての世論調査を行っているが、不思議なことに改憲によって国をどんな方向に変えていこうとしているのかをはっきりさせないまま、「改憲に賛成か反対か」といったぼんやりした問いが多い。

自民党が改憲で何を目指しているのかは、2012年に自民党が示した改憲草案を見るしかないが、ここからわかるのは憲法が本来担うべき「権力者を縛る」役割を奪い、「国民が守るべき義務」を示して国民を縛るものへと変えようとしていることだ。

高市首相はこの改憲草案への支持を表明しているし、いま高市政権が高額療養費制度や健康保険制度の改定などを進めようとしていることを見ても、社会保障を削り、軍備増強と増税を進めて、経済的格差がさらに拡大した社会を作りだそうという意図が読み取れてしまう。

もちろんこうした動きが進んでいけば、国民が反対の声を上げようとしても阻止されるし、国の意向に沿わないものは予防的に禁止される可能性も出てくる。

つまり、私たちは改憲によって基本的人権や個人の自由を奪われていくことになりかねないし、緊急事態条項ができれば選挙もなくなり、どんな法律も作り放題となって、個人資産を国が接収することさえ可能になる。

だからいま、危機感を感じて改憲の動きに対して行動し始める人が増えているのだ。

円安とオイルショック

ところで、日本に迫っている円安危機と石油危機はいまだ解決しないままだ。

トランプ大統領は軍事行動の終結を議会に通告したが、それは軍事行動を継続するための議会の承認が得られないからで、「イラン戦争」は終結していない。

ホルムズ海峡は通過できないままだし、日本政府はイランとは交渉しようとしない。

1日あたり1.5艘入港していたタンカーがまったく入ってこなくなったのだから、日本の石油製品は当然干上がることになる。

これまで石油連盟が発表していた国内の石油製品の在庫量は、政府の意向か実態が把握出来ないのか不明だが公表されないことになり、状況を見通すことさえ出来なくなってしまった。

一方の円安はどうか。連休の間に日本が3回にわたって為替介入をしたと見られているが、どうやら無駄に終わったようだ。

本当にこのままで日本は大丈夫だろうか。

※前回、ホルムズ海峡の自由航行を求める国際会議がネット上で行われた日付を4月19日としましたが、4月17日が正しい日付でした。お詫びして訂正します。