不動産投資の利点を知る
ロバート・キヨサキの「金持ち父さんシリーズ」を読んで、投資に興味をもつ人は多い。
投資を始めようとする人の多くがまずやってみようと思うのは、投資信託や株式、FXなど、紙の資産かもしれない。
たしかにこれらは比較的少ない元手から始められるし、証券会社に口座を開くための手続きも簡単、今ならネットで手軽にできる。
さらに、まわりにやっている人も多いので抵抗が少ないし、さまざまな情報もネットや雑誌、書籍などで手に入りやすい。
だが、投資と言うと紙の資産にしか目が行かない人たちに、キヨサキは不動産投資にも目を向けてみるようにとアドバイスする(「金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法」筑摩書房刊)。
不動産投資には、紙の投資にはない利点があるというのだ。
銀行のお金で投資できる
まず第一の利点は、銀行のお金で投資ができるというところだ。
株や投資信託に投資する場合、銀行がその元手になるお金を貸してくれることはまずない。
だが、不動産投資の場合は、銀行が物件を取得するためのお金を貸してくれる。
もちろん、借入前に審査などはあるものの、いい投資ができるならこれは大きな利点だ。
さらに、不動産は紙の資産ほど流動性がなく取引に時間がかかり、また、管理に手間がかかるという特徴がある。
これは一見欠点に思えるが、一対一の交渉ができるからこそ契約を有利なものにしたり、うまく管理をすることで平凡な物件を優良物件に変えたりすることもできる。
いわば独創性を発揮できる投資であり、それだからこそ不動産投資が好きだとキヨサキは言う。
税制面での優遇
さらに、不動産投資では儲けたお金の一部を損失とみなすことを政府が認めてくれる。
これはいわゆる減価償却のことであり、金持ち父さんが「見せかけのキャッシュフロー」と呼んだもので、紙の資産の投資にはない利点だ。
ほかにも、政府が税控除を認める要件として、バリアフリーや省エネなど、政府が望ましいと考えている住宅への改築費用などがある。
これらを利用するときには、時間をとってよく勉強し、税務の専門家にも相談する必要があるが、うまく使えれば物件の価値も上がって、入居者はさらに満足してくれる。
そうは言っても、国によって状況や基本的な条件が違っている部分があるので、「日本では無理だ」とか「そんなにうまくはいかない」といった意見もあるだろう。
だが、どんなことでも興味をもって検討してみると、そこには学ぶことがあり、決して無駄にはならないはずだ。