再び1ドル145円台に
円安ドル高がまた進んでいる。9月に1ドル145円台をつけると、日銀は22日、24年ぶりに為替介入を行った。
3兆円とも言われる円買いで円は一時上昇したものの、2週間もたたないうちにまた145円台まで下がったことになる。
アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)がインフレ抑制のために繰り返し利上げを行い、それがドル高の要因となっているわけだが、利上げは今後もしばらく続くのだろうか。
ちなみに10月3日、国連の補助機関が、世界経済を景気後退に追い込まないようFRBや他の中央銀行に利上げ停止を要請したと報じられている。
また、急なドル高が金融市場を不安定にしているため11月に見込まれる次回の利上げで金融引締めを終わりにすべきだという警告も、調査会社から出されているようだ。
日銀は緩和政策維持
各国の中央銀行が利上げに踏み切るなか、日銀は利上げをせず緩和政策を続けることを明言してきた。
それが現在の円安ドル高の要因だと言われているが、はたして要因はそれだけだろうか。
各国の通貨はもともと金銀保有高に基づいたものだったが、金本位制ではなくなった現在、いわばその国の経済力や国力に依拠したものとなっている。
言ってみれば、海外からその国がどう評価されているかが総合的に反映されると考えることができるだろう。
そのような視点からだと、日本円はどのように見えているだろうか。
改ざんと黒塗り公文書
GDPや雇用統計は基本的な経済指標だが、日本では雇用統計が2006年から改ざんされていたことが2019年に発覚、2021年12月には国土交通省によって「建設工事受注動態統計」(建設業者が受注した工事実績の数字)が改ざん(水増し)されていたことを朝日新聞がスクープした。
いずれもGDPにまで影響を及ぼす重要な数字であるが、さかのぼってすべて訂正することはもはや不可能だと言われている。
これだけではない、最近開示される公文書には黒塗りが増え、お手盛りの有識者会議と閣議決定で政策の大枠が決まり、詳細は伝わらないうちに結果だけ報じられたりする。
報道の自由度ランキングやジェンダーギャップ指数なども下落し、さらには自民党とカルトとの深い癒着ぶりや、根深いネポティズム(縁故主義)が日々明らかになっていく。
こうした不透明なものを少しずつでも変えていかないと閉塞感がつのり、日本の評価や円の価値が落ちて行くのではないか、と不安になってしまう。