人々が信じたがる話

  1. ポンジー・スキームとネズミ講
  2. 最大のネズミ講とは
  3. 年金カット法案成立へ?

ポンジー・スキームとネズミ講

ロバート・キヨサキはその著書「金持ち父さん」シリーズのなかで、ポンジー・スキームについて言及している。

ポンジー・スキームとは、チャールズ・ポンジーという詐欺師の名前から生まれた言葉で、彼は「出資金を運用して利益を配当金として還元する」という名目で多くの人からお金を集め、運用しないまま出資金を以前からの出資者に渡していたが、当然ながら最後には行き詰ってしまったという。

このしくみは日本でいうネズミ講、法律で禁止されている無限連鎖講とよく似ている。
こちらは、自分の下位にいる会員からお金を集め、それを上位にいる会員に分配するシステムで、子や孫にあたる会員がネズミのようにどんどん無限に増えていくことを前提としているのでネズミ講と呼ばれる。

最大のネズミ講とは

世間一般にネズミ講というと、よく引き合いに出されるのはネットワークビジネスなどのダイレクトマーケティングのことだろう。
実際には違うものなのだが、従来からある一般的な小売業の形からはみ出したシステムだけに、実態以上に警戒心や不信感をあおりやすいのかもしれない。

だが、最新刊『金持ち父さんのセカンドチャンス』(筑摩書房刊)のなかで、キヨサキはこう指摘する。

史上最大のポンジー・スキームは総額6兆円に達したバーニー・マドフの事件だと言われるが、「それ以上に大きいポンジー・スキームは株式市場、不動産市場、宝くじ、社会保障制度だ」と。

年金カット法案成立へ?

次の言葉はよく心に刻んでおいて、うまい儲け話を聞いたときに思い出すようにしよう。

「今日渡したお金が明日にはもっと多くのお金を生むというポンジー・スキームは、まさに人々が信じたがる話だ。現実には、ポンジー・スキームは長く続かず、すぐに破綻する」
(『金持ち父さんのセカンドチャンス』筑摩書房刊 p.161)

ところで、いま開かれている日本の国会で、年金制度改革関連法案が審議されているが、これが可決成立すれば年金給付が減額されることは確実だという。

政治は私たち国民の生活に直結しているから、政治家や官僚の話をうのみにして彼らに任せきりにしてはいけない、ということかもしれない。