「ビットコインがすごいらしい」
ロバート・キヨサキは以前から仮想通貨バブルについて疑念を持っていて、1月23日付のall aboutの記事でもこのことに言及しているが、仮想通貨人気は止まることなく高まりつづけているようだ。
昨年12月にビットコインが急伸したことで、それまでほとんど興味のなかった人までが、「ビットコインがすごいらしい」「仮想通貨って儲かるらしい」と口にしはじめた。
1か月ほどで2倍超となる急伸ぶりを目にしたせいで、急いで飛び乗った人も少なくなかったようだ。
そして今月半ば頃からビットコインの値動きが荒くなり、最高値(さいたかね)のほぼ3分の2まで下落、「すごいらしい」という噂を聞いて手を出した人のなかには、かなりの痛手を負って手仕舞いしなければならなくなったケースもあるらしい。
EE コインチェックからのNEMの流出
また、先週の金曜日(1月26日)の深夜になって、仮想通貨取引所の一つであるコインチェックが、顧客から預かっていた仮想通貨NEM(時価にして580億円相当)を流出させたと発表し、大きな騒動となった。
コインチェックの責任者は、被害者26万人に対し自己資金から日本円で460億円を補償すると発表しているが、いつになるかは明らかにされていない。
今回の被害は、不正アクセスによるものと推測されているが、取引所では「マルチシグ」や「コールドウォレット」など、必要とされる安全対策は取られていなかったという。
また、コインチェック自体が、仮想通貨取引所として金融庁・財務局に申請は出しているものの、まだ正式に登録されていないことも報道されている。
仮想通貨の価値を裏書きするものは何か
日本は仮想通貨取引きを認可した初めての国で、昨年9月に最初の11社が仮想通貨取引所としての認可を受けている。
だが、仮想通貨自体がまだ構築中のシステムであり、禁止や規制をしている国も少なくないことは知っておいた方がいいだろう。
もともと、通貨はそれ自体に価値がある金貨銀貨や、金や銀と引き換えることができる兌換紙幣で、貴金属によってその価値を裏書きされていた。
しかし、ニクソンショック以降、各国中央銀行が発行する通貨はその国の経済力により裏書きされるようになった。
では、仮想通貨はいったい何によって裏書きされているのか、そのことを私たちは理解しているのだろうか。