ファイナンシャルプランナーのアドバイス
ロバート・キヨサキは「金持ち父さんシリーズ」(筑摩書房刊)のなかで、分散投資という言葉を何度も取り上げている。
「分散投資をしよう」という言葉は、ファイナンシャルプランナーが与えるアドバイスとして一般的であり、多くの人がこれに従っているとキヨサキは言う。
たしかに、一般的な投資の入門書などを見ると、「分散投資することが基本」「分散投資しておけば安心安全」といった言葉がよく出てくる。
先月、我が国の厚生労働大臣も、年金の積立金運用が国債に偏っているのを改め株式を重視して分散投資するべきだと言い、株式運用の割合を増やした。
だが、これで分散投資していることになるのだろうか。
市場はコントロールできない
キヨサキの「金持ち父さんの投資ガイド」を読んだ人はよくわかっていると思うが、キヨサキは「分散投資をしよう」というファイナンシャルプランナーのアドバイスを評価していない。
というのは、一般の人が分散投資をしていると言う場合、「IT株と建設株と食品株を保有している」とか、「国内株式と投資信託を買っている」とか、「日本株とアメリカ株に投資している」といったことが大半だからだ。
これでは結果としてすべてを株式市場に委ねたことになってしまい、市場が暴落した場合には、せっかく分散したはずのものがどれも同じような動きをしてしまうことになる。
今や市場は電子的に動いており、一国の市場で暴落すればそれが引き金になって瞬時に世界同時株安が生じてしまうことは、最近の動きをしばらく見ていれば実感できることだろう。
では、どのように投資すればいいのか。
キヨサキの答えとは
キヨサキは「このように投資しなさい」と即効性のある答えを教えてくれるわけではない。
というのは、その人その人によって、状況や資質、興味関心が違っていて、求めているものが違い、必要となる方法も違うことを知っているからだ。
キヨサキがすすめているのは、まずは自分のための投資のプランを立てることであり、そこから自分に必要なことが見えてくるという。
また、株式市場の動きと連動しない分野に注目するのも一つの道だろうし、人が投資しない分野を探すのもいいかもしれない。
「分散投資」について自分の頭で考えてみよう。