方舟の船長として
「金持ち父さんの予言」(筑摩書房刊)のなかでロバート・キヨサキは、先を見とおす力の大切さを説いている。
これから先の金融の嵐を乗り越え生き延びるためには、個人個人が方舟の船長として先を見とおす力を身につける必要があるのだと言う。
たしかに、先行き不透明な世界情勢、経済情勢にあって、この先何が起こるのかを見極めるのはとても大切なことだろう。
では、具体的にどのようなことをすればいいのだろうか。
彼があげていることを見ていこう。
大事なチェックポイント
キヨサキはチェックポイントとして以下の8つをあげている。
1.自分で言ったことを守る。
2.柔軟な頭で変化に備え、聞き耳を立てる。
3.財務諸表の読み方を学ぶ。
4.テクノロジーを利用する。
5.大きいものに注意する。
6.法律の変化に注意する。
7.インフレに注意する。
8.社会保障プログラムに対する政府の対応に細心の注意を払う。
問題点はチャンスでもある
それぞれについての細かい説明はここでは省くが、いまの状況に重ねてみると、とても有効なチェックポイントであることがわかる。
たとえば、8の「社会保障プログラムに対する政府の対応に細心の注意を払う」について。
日本でここ数か月のあいだに起こった生活保護についてのバッシングなどを見ると、日本政府が社会保障の枠を縮小したいと考えていることがわかる。
また、健康保険についても国民皆保険という原則を見直そうという動きが政府内にあるようだ。
また、5の「大きいものに注意する」についても注目したい。
先日、消費税の増税を決めたことから見ても、日本政府が「さらに大きな政府」を目指していることが分かる。
また、昨年3月11日に福島第一原発で過酷事故を起こしたことから見て、東京電力にしても原子力産業にしても、巨大化しすぎたのではないかと考えることができる。
これから役立つヒントとしては、キヨサキはこうしたチェックポイントから見つかった問題点こそが、ビジネスチャンスでもあると教えている。
いまの日本の状況にどんな問題点があり、それがどんなビジネスチャンスにつながっていくのか、考えてみてはどうだろう。