円安が加速する

  1. 1ドル125円に
  2. 輸入品が値上がりする
  3. アベノミクスがもたらしたもの

1ドル125円に

このところ為替が円安に大きく振れている。

1ドル120円台をつけるのは2015年以来のことだというので、長期のドル円のチャートを改めて眺めてみた。

1971年に為替が変動相場制に移ってから現在までのチャートを見ると、1ドル360円だったところから大幅に変動してきたのがわかる。

その変動幅に比べれば、現在の動きもたいしたことではないように見える。

輸入品が値上がりする

円安になると、日本の株価が上がるからいい、輸出産業にとっては有利、という反応もあるかもしれない。

だが、1ドル80円前後だった2011年頃と比べてみると、いわば円の価値は対ドルで3分の2程度になってしまったことになる。

ウクライナ情勢その他で、石油や小麦をはじめとする輸入品の値上がりが懸念されているなか、円安で日本の購買力が下がることはそのまま物価の上昇を意味する。

また、去年から言われている半導体の不足なども、日本が海外で買い負けているせいで、その原因の一つは円安だという指摘もある。

アベノミクスがもたらしたもの

この円安の加速の原因は何かというと、海外の金利がインフレで軒並み上昇する中、日銀が「指し値オペ」(国債の買い取り)により低金利と金融緩和を維持する姿勢を示したことにあるようだ。

この日銀の姿勢が変わらない限り、円安は終わらない(さらに加速する)と言われている。

さらに、これは日銀がアベノミクスの一つとしてやってきた徹底した金融緩和策がもたらした結果であり、方針転換はかなり難しいのではないかと指摘する人もいる。

円安によって円建て資産の価値が大幅に下がり、輸入品の値上がりで激しいインフレに苦しむ……そんな恐ろしい未来が来ないことを祈りたい。