国の予算はなぜ無駄に膨らんでいくのか

  1. 円安で防衛費が膨らむ?
  2. オリンピック会計の不透明さ
  3. 大阪万博の国費負担はどこまで膨らむのか?

円安で防衛費が膨らむ?

ドル円為替レートは相変わらず1ドル=148~149円あたりをうろうろしているが、11月27日の参議院予算委員会で為替のことが話題となった。

立憲民主党の辻元清美議員が防衛予算について次のように質問したのだ。

「去年、5年間の防衛費を43兆円に増額すると決めたとき、為替レートを1ドル108円で試算している。今の為替レートでは43兆円をはるかに突破するのではないか」

岸田首相は為替がどう動いても43兆円の範囲でやっていくと答弁したが、2022年の為替レートの動きを確認すると1ドル108円はあまりに希望的観測だと思えるので、政府はなし崩しの増額を前提として予算を立てていたのではないかと疑いたくなる。

オリンピック会計の不透明さ

予算枠の突破で思い出すのは、2021年に開かれた東京オリンピックTOKYO2020だ。

当初の予算は7340億円だったものが最終的には2倍(一説には4倍)まで膨れあがったと言われている。

「と言われている」としか書けないのは、組織委員会がすでに解散し、正確な数字さえ明らかになっていないからだ。

まことに残念ながら、国会も検察もオリンピックのスポンサーであったマスコミ各社も、腰をすえてこの問題に取り組もうとしているようには見えない。

こうした会計の不透明さは国家的なイベントのたびに起こっているようで、1998年の長野冬季オリンピックでは会計帳簿が焼却処分され、長野県知事と長野市長が公文書毀棄容疑で告発されている(後に不起訴)。

大阪万博の国費負担はどこまで膨らむのか?

そして今現在、オリンピックと並ぶイベントとして2025年に予定されている大阪万博の準備が進められているが、こちらも予算が大きく膨らんでいることが、同じく辻元清美議員の質問で明らかになった。

当初言われていた1250億円よりもすでにかなり膨らんだ2350億円の会場建設費とは別に、日本館の建設費用その他に837億円が予定され、計3187億円をすべて国が負担するというが、これ以上増えない保証はあるのだろうか。

会場の夢洲はもともと埋め立て地で当初から地盤沈下が懸念され、橋でつながれた人工島という立地から交通の便が心配され、建設業界からは会期に間に合わないと再三にわたって指摘されるなど、問題が山積みとなり中止すべきだという声も上がっている。

そして、実はこの夢洲での大阪万博開催はもともと、IRカジノのインフラ整備を税金で行うために計画されたと言われている。

こうした動きに関わった人々の間でお金がどう動いて誰の懐に収まっているのか、その一端でも明らかにしてほしいものだ。