自民党の裏金にメスが入るのか

  1. パーティー券と裏金作り
  2. 官房機密費で「陣中見舞い」
  3. 旧統一教会とのつながり

パーティー券と裏金作り

支持率が低迷している岸田政権の周りが、にわかに騒がしくなっている。

自民党が以前から広く行っている資金集めパーティーについて、販売ノルマを超えてパーティー券を売上げた議員には派閥からキックバックが行われており、それが裏金になっていたのではないかという疑惑が報道された。

さらに、ノルマを超えた売上げを派閥に納めずに直接裏金とする方法も行われていたとも報じられている(つい日本テレビ系列で「24時間TV」の募金を着服した話を思い出した)。

当然、裏金については政治資金収支報告書に記載されていないことになるし、個人の懐に入ったとしたら税金も納めていないと考えられる。

東京地検特捜部は安倍派(清和政策研究会)を中心に、こうした資金の流れについて立件を視野に捜査しているとのことだ。

官房機密費で「陣中見舞い」

こうしたパーティー券は長らく、大企業などがまとめて買うことで実質的に自民党への企業献金となっており、政党助成金とのからみで言えば、キックバックや裏金化以前に問題視されるべきものだろう。

だが、毎年約24億円の政治献金を自民党側に続けている経団連の十倉雅和会長は先日、「民主主義を維持していくにはコストがかかる。企業がそれを負担するのは社会貢献の1つだ」と言い放っている。

自民党が選挙に使っているのはそうした勉強会という名のパーティーで集めた資金だけではない。

2008年から2009年にかけて麻生政権で内閣官房長官を務めた河村建夫元衆院議員が、内閣官房報償費(官房機密費)の使い道について、選挙中に候補者のところに

「陣中見舞いとして持って行くことがあった」と朝日新聞に語ったという。

つまり自民党政権とは、大企業からの献金と国民の税金、政党助成金だけでなく官房機密費まで勝手に使って買った議席だということになるのだろうか。

旧統一教会とのつながり

こうした騒ぎに追い打ちをかけるように、岸田文雄首相が自民党政調会長だった2019年、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体のトップと自民党本部で面会していたと朝日新聞が報じた。

岸田首相は言葉を濁したが、来日中のギングリッチ元米下院議長らと面談した際、教団の友好団体「天宙平和連合(UPF)ジャパン」のトップ梶栗正義議長と米国教団の元会長ジェンキンス氏が同席している写真も公開された。

そして12月5日、旧統一教会被害者救済のために教団財産の監視を強化する特例法案が衆議院を通過したが、これは資産の動きを監視するだけの実効性のないものであり、結局は岸田政権が教団を守り切ったと評価されている。

こうやって考えると、岸田首相は保身のために政権の座とお金の流れにしがみついているだけで経済状態はどんどん悪化しているようにしか見えないのだが、はたしてこの混迷を打開する方策はどこにあるのだろうか。