岸田政権の支持率はどこまで下がるのか?

  1. 30%を割り込み危険水域へ
  2. 物価上昇と実質賃金の目減りが続く
  3. 相次ぐ不祥事と首相の任命責任

30%を割り込み危険水域へ

11月13日に発表されたFNNの世論調査で、岸田内閣の支持率は前回よりも7.8ポイント下落し、27.8%となった。

これは11月11日12日に全国の1000人ほどに対して行った電話での調査によるもので、政権発足以来はじめて支持率が30%を割り込んだ。ちなみに支持しないは68.8%。

また、同日公表のNHKの世論調査(調査日は11月10~12日、回答数は1200人余り)でも、岸田内閣の支持率は29%と、こちらも内閣発足以降はじめて30%を下回る結果となった。

支持しないと答えた人は、8ポイント上がって52%だった。

この2つの世論調査は内閣支持率が比較的高く出る傾向があると言われており、これら2つでもついに支持率が3割を切ったことに注目が集まっている。

物価上昇と実質賃金の目減りが続く

支持率下落の原因としてはまず、物価上昇が続いていること、賃金の上昇がそれに追いつかず実質賃金が目減りし続けていること、円安が止まらないこと、それに対して有効な対策がおこなわれていないことなどが挙げられるだろう。

岸田内閣も子育て支援の定額減税策を打ち出してはいるが一年限りとされるため不評で、同時期に出され可決された首相と閣僚、副大臣、政務官の政務三役の給与を増額する国家公務員特別職の給与法改正案と比較されて批判の声が大きくなった。

この改正案は、一般職の国家公務員の給与引き上げに合わせたもので、首相は年間46万円、閣僚は同32万円給与が増えることになる。

10月23日の所信表明演説で岸田首相は「経済、経済、経済」と連呼し「何よりも経済に重点を置いていきます」と述べたが、「経済に重点をと言って結局自分の給与を引き上げるだけか」といった皮肉も飛び交っている。

相次ぐ不祥事と首相の任命責任

もちろんこうした批判の底には、不祥事が明るみに出て辞任が続いていること、あるいは責任がきちんと追求されないことに対する根強い不信感がある。

10月末には倫理的問題で山田太郎参院議員が文部科学政務官を辞任、その5日後に柿沢未途衆院議員が公職選挙法違反事件を巡り法務副大臣を辞任、そして今度は神田憲次衆院議員が脱税問題で財務副大臣を辞任した。

それだけでなく、首相をはじめ自民党議員と旧統一教会との関係がさまざま指摘されてきたにもかかわらず、議員本人から経緯を明らかにしたり清算することを明言したりということもなく、いつのまにかうやむやになってきていることも不信感の大きな要因だろう。

細田博之前衆院議長も、旧統一教会との関係についてもセクハラパワハラ疑惑にも答えることなく亡くなってしまったが、岸田内閣は細田氏を従二位に叙し桐花大綬章を贈ることを閣議決定した。

岸田政権の支持率は、まだ当分下がり続けるのかもしれない。