入管法「改正」案、6/6にも採決か
いま開かれている通常国会で、焦点のひとつとなっているのが入管法「改正」だ。
前回も取り上げたように、難民申請を制限し強制送還をしやすくしようとするものだが、難民の命を危険にさらすことになりかねない非人道的な「改悪」案だとして国連からも非難されている。
さらに審議を進めるうちに、入国管理局の意向に沿う特定の審議官にばかり案件が集中していることが判明、1件につき数分で結論を出しているのではないかという疑念が浮上し、法案のベースとなっている立法事実自体が疑わしいという批判が噴出している。
また、大阪入国管理局の医師が酒に酔って診療していた事実も明らかになり、2021年3月に名古屋の入管でスリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさんが死亡した事件とあわせて、入管の医療体制に注目が集まっている。
しかし、自公および維新の会や国民民主党などの野党は、こうした疑念をうやむやにしたまま採決に進もうとしており、連日各地で抗議のデモが行われている。
マイナンバー法成立
6/2には、前回取り上げた改正マイナンバー法案が参議院で可決され、成立した。これにより、マイナンバー(=個人番号)がさらに広い範囲で使われるようになる。
現在の健康保険証は2025年までに廃止されてマイナンバーカードに統合され、また本人が拒絶の意志を示さないかぎりすべての金融口座がマイナンバーに紐付けされることになるという。
いずれ車を運転する際には運転免許証とあわせてマイナカードを携帯しないと無免許扱いになるという話も聞こえてくる。
マイナンバーカードについてはこれまで、コンビニで住民票や戸籍謄本、印鑑証明証などの手続きをした際に他人のものが発行されたり、マイナ保険証に2人以上の情報が紐付けされていたりあるいは資格があるのに登録がなかったりと、さまざまな不具合が判明してきた。
さらに今回、登録された公金受取のための銀行口座が本人名義のものではないケースが数多く確認されたというが、登録の際にチェックしていなかったのだから何を今更としか思えない。
あわせて今回の改正法には、戸籍には名前の読み仮名が振られていないので役所で勝手に読み方を決めますよ、という条項も含まれているので、自分の氏名が正しく処理されるか気をつけておいたほうがいいかもしれない。
アメリカから大量の武器購入
しかし、国民に個人番号をつけて一律管理するというやり方は、すでに各国で試みられほぼ失敗しているのに、日本はなぜこんなに拙速にまた広範囲に推し進めようとするのか。
国民にとっての利便性を上げるためと当初は言っていたが、どうやら目的はそこにはなさそうだ。
資産把握か、徴兵制か、利権か、真の目的はどこにあるのだろうか。
すでに可決された2023年度の予算案では、アメリカから大量の武器を購入するために国防費を6兆8千億円へと大幅に増額した。
さらに審議中の防衛産業強化法では、「国防産業維持」のために軍需産業の経営を国が公費で支え、「殺傷力のある兵器」も含めた武器輸出も全面支援しようとしている。
なにやらきな臭い匂いが漂ってくるような気がする。