税金と社会保険料で半分消える
2月21日、財務省は、2022年度の「国民負担率」が47.5%になる見込みだと発表した。
「過去最大だった2021年度の48.1%をやや下回った」と報道されているが、47.5%というのは見込みの数字なので上振れする可能性も残されているのだろう。
国民負担率が50%に近づいていることは今に始まったことではない。ここ数年繰り返し取り上げてきたが、もう一度確認しておきたい。
国民負担率とは、国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示すもので、数字が上がったのはコロナ禍で収入が減ったことや社会保険料の引き上げも影響しているのかもしれない。
1970年度の約2倍にも
ともあれ、国民負担率が50%近いということは、手元に入ったお金の半分近くを税金として国に収めていることになる。
よく知られているように、国民健康保険や国民年金は、保険料と言われている。
だが、これらの保険料を支払わなければ税金以上の厳しい取り立てが行われるのだから、実質は税金だと考えるべきだろう。
これも以前に書いたが、1970年度(昭和45年度)には、国民負担率は24.3%だったというから、ずいぶん上昇している。というか、ほぼ倍になっている計算だ。
「五公五民」で一揆が起こる
江戸時代には「五公五民」と言われて、年貢が5割に近づくと農民一揆が起きたという。
これではどう考えても暮らしやすいはずがないだろう。
「若い人たちは車も買わず酒も飲まずデートもせずに、いったい何にお金を使っているんだろう」
「税金と保険料と奨学金の返済で、いっぱいいっぱいですよ」
という小話があるが、世代を問わず国民の生活がかなり深刻な状況にあることをはたして今の政府は直視しているのだろうか。