14歳の決心
ロバート・キヨサキの本にもよく出てくるが、彼の公私にわたるパートナーのキム・キヨサキも投資家だ。
ロバート・キヨサキは彼女を愛しているだけでなく、尊敬しているし、その投資の腕には舌を巻いているという。
彼女がなぜ投資を始めたのか、そのいきさつについては、「リッチウーマン」(筑摩書房刊)という本に詳しく書かれている。
キムはちいさいころから、人からああしろこうしろと言われるのが大嫌いだったという。
すでに幼稚園のころからその性格は表れていて、よく廊下に立たされていたらしい。
人からああしろこうしろと言われないためには、やはり経済的自立しかない、とキムが心に誓ったのは14歳のときだった。
お金とセックスアピール
そのころすでに、キムのクラスメイトでも、次々と男性をひきつける特別に魅力的な女の子の存在が目立つようになっていた。
ティーンエイジャーというのは、女性が男性を性的な魅力でひきつけ、コントロールする力があることに気づき始める年頃だ。
だがある日、キムの家に母親の友達のグロリアが訪ねてきて、二人でひそひそ話を始めた。
グロリアの夫が以前から若い女性とつきあっていて、ついに彼女を捨てて出ていくという。
夫婦の間はすでに冷え切っていたが、グロリアは経済的に夫に頼りきっていたために、長い間、不幸な結婚生活を耐えてきたようだ。
「経済的に自分で自分の面倒を見られるか、それが本当にわからないのよ」
その言葉が、キムの心につきささった。
年をとったときに
そしてキムはこう決心する。
「私は絶対に、経済的に男の人に頼らない。男の人だけじゃない、誰にも頼らない」と。
誰にも頼らないというとき、そこには夫や家族だけでなく、会社、政府なども含まれていた。
そのあと、キムは経済的自立を目指して起業や投資をして成功してきた。
そして今、彼女が若い女性たちに忠告するのは、若いときは性的魅力で男性をコントロールできるが、年をとるとお金がそれにとってかわるということだ。
キムが紹介しているが、往年の名女優キャサリン・ヘップバーンはこう言っている。
「女性のみなさん、お金とセックスアピールのどちらが欲しいかと言われたら、お金をとりなさい。なぜなら、年をとったらお金があなたのセックスアピールになるからです」
これは、女性だけではなく、男性にもあてはまることかもしれない。