子供はみんな学ぶのが好き

  1. 貧乏父さんはハワイ州の教育局長だった
  2. 才能にはいろいろな種類がある
  3. 学校は一つの能力に重点を置いたシステム

貧乏父さんはハワイ州の教育局長だった

ロバート・キヨサキの「金持ち父さんシリーズ」は、彼が親友マイクの父である金持ち父さんから、お金について学んだことを中心に書かれている。
だが、シリーズ4作目の「金持ち父さんの 子供はみんな天才」(筑摩書房刊)は、ちょっと異色だ。
というのは、子供の学習と教育をテーマとして書かれていて、キヨサキがこれまでの本の中で「貧乏父さん」と呼ぶ実の父にもスポットライトが当たっているからだ。
貧乏父さん、あるいは賢い父さんと呼ばれているキヨサキの実の父は、学校の教師であり、頭もよく学問的にもすぐれていて、州の教育局長にまでなった人だった。
彼は、すべての子供が生まれつき才能をもっていること、それと同時に、子供は一人一人学び方が違うということを知っていた。

才能にはいろいろな種類がある

1980年代のはじめ、ハワード・ガードナーという心理学者が、人間には7つの異なる才能があるという説を立てた。
彼によれば、人間の才能の種類には、言語的才能、数学的才能、空間的才能、身体的才能、音楽的才能、対人的才能、内省的才能の7つがあるという。
その後の研究で、人間の才能はもっと種類が多く、30以上にものぼるのではないかと言われている。

ロバートが小学校四年生の時、先生が「クラスメートのアンディは天才だ。知能指数が180もある」という話をした。
知能指数が180というのは、次のようなことを意味する。

18(知能年齢)÷10(暦年齢)×100=180IQ

つまり、実際は10歳なのにテストで18歳並みの点数をとったから、アンディは天才と言われたわけだ。
ただし、それは読み書きによって学ぶ能力、言語的才能によって測られるものであって、ほかの能力は考慮されていない。
現に、ロバートは身体敵能力ではアンディに勝っていたし、内省的能力もすぐれていた。

学校は一つの能力に重点を置いたシステム

アンディの知能指数の話でもよくわかるように、学校というシステムは言語的能力に重点をおいて教育を行っている。
だから、その能力が優れている子供以外の多くの子供たちは、自分は頭がよくないと感じたまま学校を卒業する。
そうした子供たちは劣等感をもち、大きなハンディキャップを背負って実社会に出ることになる。
だが、「子供は本来、みんな学ぶのが大好きだ」とキヨサキは言う。
赤ん坊は好奇心がいっぱいで目に入るものすべてについて学ぼうとし、転んでも転んでも起き上がって、立ち上がり、歩くことを学ぶ。
子供に限らず、わたしたちは本来、そうした学ぼうとする意欲に満ち溢れている存在であるはずだ。
いま、あなたが何か学んでいるところで、どこかうまくいっていないと感じているとしたら、もしかしたら教え方のほうに問題があるのかもしれない。