市場は三つの方向に動く

  1. 市場暴落を懸念する
  2. 市場の三つの方向とは
  3. 市場はどこへ行くか

市場暴落を懸念する

ロバート・キヨサキは『金持ち父さんの予言』(筑摩書房刊)のなかで、株式市場の大暴落の懸念について触れている。

なぜ彼が株式市場の暴落を懸念するかについてはこの本を読んでいただくとして、キヨサキが考えている以外の要因でも市場の暴落は当然起こる。

それについてキヨサキがさらに心配しているのは、市場の暴落が起こった時に、一般のファイナンシャルプランニングに従って投資をしている人たちが大きなダメージを受けるのではないかということだ。

なぜなら、ファイナンシャルプランニングは一般的に言って、市場が常に上向きであるという仮定に基づいているからだ。

定年後の生活のためにファイナンシャルプランナーが用意するポートフォリオも、市場は最終的に上昇するという仮定に基づいているので、「長期投資」がいいとされる。

だが、プロの投資家の大部分が知っているように、市場は基本的に三つの方向に動く。

市場の三つの方向とは

みなさんは当然わかっているだろうが、その三つとは、上向き(強気相場、ブルマーケット)、下向き(弱気相場、ベアマーケット)、横ばい(チャネリングマーケット)だ。

もちろん、ファイナンシャルプランナーもその点は押さえていて、これらの動きからの影響を緩和するためとして分散投資を勧める。

それぞれの銘柄が違う動きをするから、市場の動向に左右されてもトータルで影響が少なくなると考えるためだ。

だが、分散投資をしたところで、買い持ちが基本となる長期投資では、このリスクは結局は回避できない。

たしかに50年といったような長期のグラフを見れば、株式市場はこれまで一貫して上昇傾向にあった。

しかし、そのグラフを拡大するとわかるように、市場は常に上がったり下がったりしているわけで、自分が売買する時点の動きに大きく左右されてしまう。

市場はどこへ行くか

さきほども言ったように、20世紀はたしかに、長い目で見れば株式市場は上昇の一途をたどってきた。

だが、これまでがそうだったからと言って、これからもそうだとは限らない。

短期間で考えて市場は三つの方向に動くとすれば、長期で考えても市場は三つの方向に動く可能性がある。

世界中がインターネットでつながり、コンピューターで自動的に取引がなされることにより、上下動の幅ががさらに拡大し動きが激化しているのは間違いない。

もしあなたが、株式市場などに投資をするなら、国内経済はもとより、EUの動きやアメリカ経済の動き、新興国の動きなどから目を離さないことだ。

賭博のテーブルの上に置いたお金は、手元に回収するまでは自分のお金ではないのだから。