情報時代とはどういう時代か

  1. 私たちは歴史の転換点にいる
  2. 産業時代と情報時代の働き方
  3. サラリーマンが大きな影響を受ける

私たちは歴史の転換点にいる

ロバート・キヨサキは「金持ち父さんシリーズ」(筑摩書房刊)の中で、いまはまさに歴史の転換点であり、世界が大きく変わろうとしていると繰り返し強調している。

1989年、日本が平成の時代を迎えた年に、ベルリンの壁が崩壊し、インターネットが登場したことで、世界は産業時代から情報時代へ移行したとキヨサキは言う。
たしかに、ある年齢より下の世代であれば、物ごころついたころからすでにパソコンや携帯電話が身近にあった人、インターネット環境にないことのほうが特別な状況に感じられる人が大半だろう。
大地を耕し農作物を得る農業時代、資源を加工し製品を作り出す産業時代を経て、情報を集め発信し価値を作り出す情報時代へと、たしかに時代は大きく変わろうとしている。
もちろん、それまでの産業時代の考え方や価値観、生き方などが一瞬にしてすべて消え去ってしまったわけではないし、農業や工業などはこれからも必要不可欠なものであることに変わりはない。
それと同時に、このような時代の転換によって、当然ながら、人の働き方や生き方から、社会や国のあり方まで変わり始めているのだ。
その変化について、キヨサキは「金持ち父さんの子供はみんな天才」(筑摩書房刊)のなかで次のように指摘している。

産業時代と情報時代の働き方

「産業時代には、雇い主が責任を持ってあなたの年金プランを立ててくれた。
情報時代には、その責任は従業員本人にある。

産業時代には、年をとればとるほど人間としての価値が上がった。
情報時代には、年をとればとるほど人間としての価値が下がる。

産業時代には、人は一生を従業員のまま過ごした。
情報時代には、仕事を自由に変える「フリーエージェント」が増える。

産業時代には、頭のいい子供は医者か弁護士になり、お金をたくさん儲けた。
情報時代には、スポーツ選手、映画スター、ミュージシャンがお金をたくさん儲ける。医者などの専門的な職業を持つ人の多くは、産業時代よりも収入が少ない。

産業時代には、あなたやその家族が経済的苦境に陥ると、政府が助け出してくれた。
情報時代の始まりとともに、社会保障などの政府の「安全保障プログラム」を救うことを約束する政治家が増えている。
だが、私たちだってばかではない。政治家がそんな約束をし始めるのは、救うと言っている対象がすでに死んでしまっている場合が多いことくらいわかっている。」

サラリーマンが大きな影響を受ける

企業に勤めて給料をもらう従業員、いわゆるサラリーマンは、産業時代とともに生まれ増えてきた存在だ。

農業時代には、企業に雇われる従業員は今よりもずっと少なく、多くの人が自営業を営んでいた。
産業時代に入り、大企業が工場労働者など多くの人手を必要とするようになって、サラリーマンが一般化した。
そのため、サラリーマンは産業時代から情報時代への移行によってとりわけ影響をうけやすい存在だと言うことができるだろう。

もしあなたが今サラリーマンとして働いているなら、これから先どのような変化が自分の身にふりかかるのか、考えてみるべき時だ。

また、自分の子供や若い世代にどのような可能性が生まれてくるのか、先を見通しながら、子供たちを導いていくことが必要になるだろう。