感情ではなく頭で考える
『金持ち父さん 貧乏父さん』(筑摩書房刊)によると、ロバート・キヨサキは十代の初めころから、金持ち父さんのもとでお金について学んだ。
金持ち父さんとは、ロバートの友達であるマイクの父親で、大学は出ていないが起業家として成功し、ハワイで手広くビジネスをしていた。
金持ちになりたいと決心したロバートは、金持ち父さんからさまざまなことを学んできたのだ。
その中でも大切な教えの一つが、感情や恐怖に支配されずに自分の頭で考えることの大切さだった。
人は恐怖と欲望に動かされる
「金持ち父さん」シリーズの中で、「お金は感情ととても強く結び付いている」とロバート・キヨサキは繰り返し言っている。
たとえば起業しようと思っても、お金がなくなったらどうしよう、うまくいかなくて破産したらどうしよう、そう思うと恐怖にとらわれてしまい、冷静な判断ができなくなる。
株やFXといった投資を多少なりともしたことのある人なら、こうした恐怖はおなじみだろう。
そうした投資では、お金の動きと自分の判断と恐怖が、直接わかりやすい形で結びついているからだ。
逆に、もっと儲かるはずだといった欲望に左右されて、冷静な判断ができなくなることもある。
感情の動きを知った上で判断する
だが、人間である以上、こうした感情や欲望をなくすことはできない。
だからこそ、多少なりともお金がからんだ場合に、感情や欲望によって自分の判断が影響を受けるという事実を自覚することが大事だと、ロバート・キヨサキは言う。
さらに、他人の意見にも惑わされないようにする必要がある。
たとえ専門家の意見であっても、それは恐怖や欲望によって影響されているかもしれないし、別の要因があるかもしれない。
自分の考えも、他人の意見も、感情や恐怖という要素をとりのぞいてみて、それぞれ評価をする。
その上で、冷静な判断ができるようにすることが、いかなる行動をする上でも大切なのだ。